[2025/7/24　宮城版]
　石巻市は避難道路整備事業で3路線を改良しており、本年度は三輪田線の刈田橋橋梁下部工整備工事や測量設計(その3)業務、明治橋稲井小・中学校線の道路照明灯設置工事、新田町谷地中線の道路改良工事を発注する。刈田橋の下部工工事は橋台2基を設ける工事で、概算工事規模が1億3000万円、工期が約7カ月。第2四半期に総合評価落札方式の一般競争入札で発注する予定だ。

　避難路整備事業では、三輪田線、明治橋稲井小・中学校線、新田町谷地中線(他2路線を含む)の市道3路線を改良する。

　市の総合計画実施計画(2025～27年度)によると、事業費は25年度に3億9500万円、26年度と27年度にそれぞれ2億4000万円を充てる考えだった。全体完成は28年度を目指している。

　本年度は交付金の配分額が計画よりも少なかったため、6月補正予算で事業費に1億9884万円を計上するに留まった。ただし、昨年度からの繰り越し額も活用する。

　6月補正予算で確保した事業費の内訳は、道路改良工事費が1億7300万円、測量設計業務委託費が1400万円、工事監督等支援業務委託費が1100万円、補償調査等業務委託費が84万円。

　三輪田線は、三輪田地区で市道八津1号線との交差点から北東側の延長3.8km区間を拡幅する計画。現道は幅員5m程度で、これを全幅9m程度に広げる。内訳は車道が2.75mの2車線、歩道が片側2mで、残りが保護路肩。

　拡幅工事は1940m区間が完了しており、残る延長が1860m。昨年度はその6工事を絆興業(石巻市)に発注した。拡幅区間には刈田橋が県の管理河川に架かっており、拡幅に伴い現橋の隣に新たなPC橋を架けて幅を広げる。新橋は橋長11.2m、幅員5.7mのPC橋で、詳細設計業務を開発虎ノ門コンサルタント(東北支店・仙台市宮城野区)に委託した。

　道路の測量設計業務は延長約2km区間を日野測量設計(石巻市)、約0.7km区間を丹野測量設計(石巻支店・石巻市)に委託した。残り約1.1km区間のうち、本年度にその3業務として延長200m区間を委託する。

　その3業務は新寺橋付近を対象に、路線測量と用地測量を行い、道路の詳細設計をまとめる。履行期間は24年2月27日まで。概算業務規模は3400万円。新寺橋は拡幅しないが前後を広げる。

　業務委託に向けて一般競争入札の手続き中で、8月5日まで参加申請書や入札書を受け付け、翌6日に開札する。参加資格は市内に事業所があり、市の測量・建設コンサルタント等業務の承認簿に「測量」と建設コンサルタントの「道路」部門の登録があることなど。

　明治橋稲井小・中学校線は、真野地区の市道で、稲井小学校や稲井中学校がある付近から新明治橋までに至る延長800m区間を拡幅する。計画では2車線と片側歩道で全幅9.25mを確保する。途中で農業用水路が横断している箇所は橋長10m程度の橋(歩道部分)を架設する。

　当初は本年度にこの橋梁の下部工工事として、橋台2基の設置工事を発注する予定だった。交付金の配分額が少なかったため、来年度に発注を見送る。橋梁の設計業務は東日設計コンサルタント(仙台支店・仙台市泉区)がまとめた。

　本年度は第2四半期に道路照明灯設置工事を一般競争入札で発注する。概算工事規模は1900万円。工期は約7カ月。

　拡幅工事はこれまでに初弾工を佐藤建設(石巻市)、第2弾工をマルテック(同)に発注しており、残りは橋梁の工事のみとなる。

　新田町谷地中線は、鹿又字学校前他に整備されている市道で、歩道整備を進めている。昨年度までに延長430m区間の歩道工事が完了。今後は別の2路線と合わせた延長500mの歩道延伸を進める。この500m区間の測量設計業務は中央技術コンサルタンツ(石巻事務所・石巻市)に委託した。

　現道の脇には素掘りの大型水路が設けられているため、これまでの工事ではプレキャスト製の水路に入れ替え、蓋をして幅員2.5mの歩道を確保してきた。

　今後はこれまでの続きとして新田町谷地中線がL字に折れた先も含めて歩道を整備する。基本的には水路部分を暗渠化して歩道を確保するが、水路がない場所もある。

　本年度はその3工事を発注し、現道脇にある素掘りの大型水路をプレキャスト製の水路に入れ替え、蓋をして歩道を確保する。施工延長は50m程度を見込んでいる。

　同線は2019年の東日本台風で水路から水があふれて冠水したため、断面の大きな水路に入れ替えながら歩道を設置している。最初に国から認められた450m区間の測量設計業務は西條設計コンサルタント(石巻市)が担当。工事は新東総業(同)やヤマヨシ高橋組(同)に発注した。