水道10年間で1150億円 施設・設備更新事業 下水道は1720億円に(宇都宮市)

[2025/7/30 栃木版]

 宇都宮市は25日、市上下水道局庁舎で第3回水道料金等審議会を開催し、上下水道施設の更新の方向性と事業費などについて協議した。水道事業では管路の年間更新率の目標を0.8%と定め、建設改良費は2025年度から34年度までの10年間で1150億円規模を計画している。一方下水道事業は、25年度から34年度までの10年間で1720億円規模の事業費を試算した。

 市によると、水道事業の管路更新事業は今後も大量の管路更新が必要となっており、近年の市の管路更新率は類似都市平均よりも低いことから、継続的に更新の頻度を上げる必要があるとしている。このため市は、重要管路等の更新を一部前倒して、事業の平準化を図る。

 長期的には更新率1%(L3200m)以上を目指すが、中期的には類似都市の平均程度である0.8%(L2500~2600m)を継続していくことを目標とする。管路は、毎年度60億円程度の事業費が必要になると報告した。

 浄水場等の施設・設備については、現在更新事業量のピークを迎えており、施設・設備更新事業費の削減は困難となっている。

 下水道事業の管渠更新事業は、劣化が確認されたものから更新を進めている。市内に8万カ所あるマンホールも管渠更新事業に含め、整備から30年以上経過したものから点検して、不具合のあるものを、飛散防止の機能のある蓋などに交換している。

 水再生センター等の施設・設備は28年度から37年度に更新量のピークを迎え、下河原水再生センターは処理機能を停止して、川田水再生センターとの部分機能統合を図る。川田水再生センターでは、26年度から本格的な更新整備に着手する。

 今回の会議では、今里浄水場の今後のあり方について委員から意見が示された。市上下水道局によると、今里浄水場は将来的に現在の浄水施設を使わずに、松田新田浄水場で浄水した水を配水池に経由して送水する構想となっており、今後施設の更新を行う計画はないとしている。

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