9月補正は68億円程度 自民党県連の要望に満額回答(福田知事)

[2025/9/10 栃木版]

 県の9月補正予算案の一般会計は、68億円程度の規模となることが分かった。福田富一知事は10日、自民党県連(茂木敏充会長)ととちぎ自民党議員会(岩崎信会長)に対し、要望された26重点事業について満額回答。このほか、県民生活に関わる緊要の課題への対処などの事業費を加えた補正予算案の規模を明らかにした。今回の補正では、公共事業費を大幅に増額して緊急輸送道路など道路整備を着実に実施していくほか、緊急防災・減災対策事業費を追加して頻発化・激甚化する自然災害に備える。学校施設では岡本特別支援学校の新校舎整備の設計、県立校の体育館バリアフリートイレ整備事業を進めていく。

 県からの回答によると、9月の補正予算は進行するアメリカの関税措置や物価高騰への対応、安全で安心な暮らしの実現など、県民生活に関わる緊要な課題に適切に対処することとして編成する。

 公共事業関係では、県土整備部の公共事業費に8億円を確保したほか、県単公共事業費に政調上乗せで要望されていた8億円を全額予算化。公共事業関連調査費は今後の円滑な事業実施に向け、政調上乗せで要望されていた2億円を予算化する。

 これにより、緊急輸送路等の整備や、道路冠水対策の排水施設の昨日今日などを図っていく。また、道路や都市公園の老朽化・巨木化した樹木の予防伐採や剪定など適切な維持管理に取り組んでいく。

 防災・減災対策には、政調上乗せで要望されていた緊急防災・減災対策事業費10億円と環境森林部の県単公共事業費5000万円を満額計上する。自然災害が頻発化・激甚化していることから、堤防強化、中小河川等の堆積土除去、立木の伐採等をより一層推進するとともに、山間部の渓流の治山施設の機能回復や長寿命化を図る。

 農業農村整備事業は、農政部の県単公共事業費1000万円と政調上乗せで要望されていた1000万円を予算化し、老朽化で施設機能の低下した農業水利施設の整備補修等を支援していく。

 芳賀・宇都宮LRTのJR宇都宮駅西側への延伸に合わせた公共交通ネットワークの強化では、公共交通連携検討事業費960万円を満額計上し、沿線地域の人流データ分析やアンケート調査、東武宇都宮駅周辺の交通結節機能の集約・強化の課題把握などに取り組んでいく。

 医療提供体制の確保では、(仮称)日光市立足尾診療所整備助成費284万円を計上した。特別支援教育の充実に関しては、特別支援学校校舎等整備費に5565万円を計上する。富屋特別支援学校の狭あい化解消のほか、岡本特別支援学校の新校舎整備で設計に着手する。

 県立学校体育館については、指定避難所としての機能向上に向けて、体育館バリアフリートイレ整備事業費2000万円と政調上乗せで要望されていた2000万円を予算化している。

 要望事項に対する9月補正案の予算額は次の通り。(単位・万円)
【安全・安心な暮らしの実現】
▽公共事業費(県土整備部)=8億0000
▽県単公共事業費(県土整備部)=2億0000
▽公共事業関連調査費(県土整備部)=1億5000
▽県単公共事業費(環境森林部)=5000
▽緊急防災・減災対策事業費=10億0000
▽県単公共事業費(農政部)=1000
▽広域公共交通検討事業費=2000
【医療提供体制の確保】
▽日光市立足尾診療所(仮称)整備助成費=284
【特別支援教育の充実】
▽岡本特別支援学校校舎整備費=5565
【県立学校体育館の施設整備】
▽県立高等学校体育館バリアフリートイレ整備事業費=2000

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