第1庁舎跡地に広場 地形測量の入札公告 解体工事は28年度(宮城県 気仙沼市)
[2025/11/5 宮城版]
現在の市庁舎は八日町1丁目に位置しており、敷地面積が約1ha(平場面積は9000平方m)。建物は第1~3庁舎、ワン・テン庁舎、倉庫などで構成している。市役所は田中地区へ移転するため、新庁舎の建設工事を進めている段階。工期は27年10月29日まで。
既存施設に関しては、ワン・テン庁舎を残し、RC造3階建て延べ3647平方mの第1庁舎や、軽量鉄骨造平屋168平方mの第3庁舎などは解体撤去する予定。第2庁舎は活用する民間事業者などがいれば残すが、いなければ解体撤去する。
既存庁舎を解体した跡地については、地元住民らで組織する三日町八日町・市役所跡地検討ワーキング・グループなどで活用方法を検討し、子どもの遊び場を整備することにした。自然を生かした新たな公園の整備候補地にもなっている。
今後は官民で組織する「まちなかエリア推進会議」に諮り、承認が得られれば既存庁舎の解体や遊び場の整備を進める。27年度には新庁舎に移転するため、28年度で解体工事に着手し、それが終わり次第、跡地を造成して遊び場を設ける。
「市役所跡地活用に伴う地形測量等業務」は、基準点測量や路線測量、地形測量、用地測量を実施し、現況の地形を把握する。履行期間は26年3月31日まで。
入札の参加資格は市内に事業所があり、市の資格承認簿の登録業種が測量業務であることなど。17日まで参加申請を受け付ける。
ワン・テン庁舎の建物基礎調査
市はワン・テン庁舎について、市役所が移転した後に子どもの屋内遊戯場や、フリー学童、多世代交流スペース、地域食堂、地域集会所など、市外からも観光客が呼び込める核施設とする計画だ。本年度は庁舎施設の基礎調査業務を一般競争入札で委託する。
ワン・テン庁舎はS造地下1階地上4階建て延べ7753平方mの規模。1999年に建設された。市役所機能を移転した後は、民間事業者と市の両方で活用することを想定している。
建物の調査に向けては、4日付で「ワン・テン庁舎跡施設基礎調査業務」の入札手続きを公告した。この業務では構造計算を行い、2階大ホールの床を抜いた場合、構造的に問題がないかどうかなどを確認する。履行期間は26年2月27日まで。
入札の参加資格は県内に本社があり、市の資格承認簿で登録業種が建築設計コンサルタント業務であることや、過去10年以内にS造延べ4000平方m以上の新築構造計算の実績があることなど。
17日まで参加申請を受け付け、19日に開札する。
市は本年度の当初予算に庁舎跡地活用基礎調査業務委託費して736万円を計上した。これには地形測量の分も含まれる。
なお、築114年が経過する第2庁舎は、県建築士事務所協会(仙台市青葉区)に耐震診断調査業務を委託した結果、耐震補強の対策が必要という判定が下された。
同庁舎は木造2階建て延べ約1000平方mの規模。1910年の建設で歴史的な価値があるとされる。庁舎の一部は土砂災害特別警戒区域に指定されているため、擁壁の設置など土砂を防御する対策も必要となっている。

