来年度に設計完了 新庁舎整備 都市マス改訂で先送り(高根沢町)
[2025/12/5 栃木版]
高根沢町は、新庁舎整備事業関係費を次年度に繰り越すと議会に説明した。町は現在、梓・AIS共同企業体に新庁舎等建設基本設計・実施設計を委託しており、年度末の完成に向けて作業を進めている。一方で、町が策定する新たな都市計画マスタープランが2026年4月から施行されることから、各種手続きの関係で予算を次年度へ繰り越し、実施設計の完了も次年度に持ち越す。
新庁舎は、石末地内の町民広場に建設することとしているが、この予定地が現在は市街化調整区域内にあるため、都市計画の変更を必要としている。また、都市計画マスタープランの改訂を来年4月に控えており、新庁舎建設にあたっての関係手続きを来年度から始めたいとしている。
町が計画する新庁舎は、庁舎、保健センター、スポーツアリーナ、サブアリーナの3つの機能が複合する施設で、構造はRC造・一部SRC造3階建て。複合施設の庁舎部分はRC造(一部PC造)とし、アリーナ等の複合施設部分はRC造(一部SRC造)として、延床面積は9349.20平方mの3階建てと設計した。
25年4月時点の概算建設工事費は81億円を見込んでいたほか、外構工事に約4.2億円、また解体工事を含めた総事業費に105億0300万円を見込んでいた。本年6月時点では、物価上昇分を見込んだ総事業費として112億2750万円と試算している。
町は庁舎整備にあたり、日常的な居場所と活動の場が融合する「にぎわい拠点」をつくることを目指し▽誰もが利用しやすく親しみやすい▽災害に強く防災拠点となる▽将来的な変化を見据えた▽環境に配慮し経済的-な庁舎を基本方針としている。
配置計画は、町民広場の一体利用を促す利用配置として、北側の県道宇都宮烏山線から延びる道路を軸線とし、東側に既存のたんたん広場を拡張した広場空間を配置。西側に建築建物と駐車場を配置することで、庁舎からたんたん広場を介して、町民広場全体に視線・活動が広がる施設構成とした。付属棟は新庁舎のバックヤードとなる西側に配置して、連携を重視している。また、既存のイチョウの木はシンボルツリーとして残す。
メインアプローチとなる西側道路に正対するように建物の主出入口を設け、その前面に駐車場を配置することで、視認しやすくアクセスし易い駐車場計画とした。また、新庁舎と複合施設の駐車場は共用として、西側に312台分を確保する。
このほか、たんたん広場や陸上競技場の北側には291台分を確保し、職員用駐車場は野球場北側に173台分を用意する。調整池はたんたん広場内にオンサイトで整備するほか、南側駐車場の地下に整備することで、無駄の無い土地利用としている。
建築計画では、1階に町民向けの窓口部門などを配置し、2階には町長関連室や防災関連部署と連携の取り易い部署を配置する。また3階は議会関連室および議場として、独立性を確保する。
メインアリーナとサブアリーナは並列に配置し、その間に器具庫やトイレ、更衣室など供用で利用する室を配置。また集会室や研修室も利用しやすいよう1階へ配置する。これら共用部の2階部分は、弓道場として整備する。
町は、来年度からの工事着工に向けて準備を進めるとしている。
