新たに調整池整備 関根川・里根川 河川整備計画を変更(県河川課)

[2025/12/27 茨城版]
 県河川課は、関根川・里根川の河川整備計画を変更する。25日には変更原案の縦覧と意見募集を開始した。主な変更点として、両河川で調節池を新たに河川工事の対象にしたほか、河川整備の詳細な延長を示した。流域治水対策には立地適正化計画や田んぼダム推進などを盛り込んでいる。意見募集は2026年2月6日まで受け付ける。

 それぞれの流域における河川工事では河道改修、調節池整備を中心に実施する。河道改修では堤防のかさ上げや河床掘削を行い、流下断面を拡大することにより計画流量を安全に流下できるようにする。河口部では、計画上で数十年から百数十年程度の頻度で発生する規模の津波(L1津波)高に河川堤防を嵩上げし、津波・高潮による浸水被害の軽減を図る。

 気候変動の影響による流量増加に対応するため調節池を整備。平常時の空間を利用し、環境にも配慮した多目的なオープンスペースの創出に努める。流域治水の推進にあたっては、河川改修や調節池整備のほか、立地抑制・移転誘導(立地適正化計画の策定)、マイタイムラインの普及促進、避難訓練、田んぼダムの促進などに取り組み、流域における浸水被害の軽減を図る。

 関根川は主に高萩市内を流れる二級河川で、流路延長は約8km、流域面積は約35.2平方km。1986年と93年に洪水災害が発生し、直近では2023年9月の台風13号により被災。床上浸水105戸、床下浸水71戸の被害が確認された。

 流域の河川整備対象区間は支川の関根前川を含む13.7km。目標とする計画流量は、12月~3月で毎秒約1.2立方m、4月~9月で同約1.16立方m、10月上旬~中旬で同約1.92立方m、10月下旬~11月で同約1.9立方mに設定した。

 主要な河川工事施工地点には、▽河道改修(河口~関根前川合流点、約4.5km)▽(仮称)関根川調節池(約4万5700立方m)▽津波対策(河口~新磯馴橋下流、約0.3km)──を示した。

 里根川は北茨城市内の鷹巣山付近を水源とし大津漁港で太平洋に接続する二級河川。幹線流路延長は約14.9km、流域面積は約35.7平方km。

 過去4回大規模な洪水被害が発生している。特に11年の東日本大震災では津波が遡上し河口部の河川構造物に甚大な被害をもたらした。

 流域の河川整備対象区間は支川である関山川、境川、八反川を含む合計延長21.84km。計画流量は5月~8月で毎秒約0.35立方m、その他期間は同約0.37立方mに設定。

 河川工事では、▽河道改修(河口~境川合流点、約3.7km)▽津波対策(河口~国道6号橋梁下流、約0.7km)▽(仮称)里根川調節池(約17万2500立方m)▽河道改修(里根川合流点~粟野橋、約2km)▽(仮称)関山川調節池(約3万9500立方m)──を行う。

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