中央博物館リニューアル 懇談会で施設整備方針案を提示(千葉県)
[2026/2/10 千葉版]
千葉県立中央博物館(千葉市中央区)のリニューアルを検討する懇談会(座長・林良博国立科学博物館顧問)が9日に開かれ、施設整備の基本方針案が示された。施設整備計画の策定に向け、新博物館のコンセプトや必要な性能などが盛り込まれており、県有建物長寿命化計画に位置付けていく方向で検討している。
基本方針案では、新博物館が備えるべき機能を踏まえ、「収集・保管」「調査・研究」「展示・教育普及」「運営」ごとに基本的な考え方を整理している。
さまざまな材質の資料を適切・安全に保存しながら、展示や研究などで活用していくための環境を整備する。重要文化財などの展示にも対応できるよう公開承認施設の要件を満たした機能や設備を備えた施設とする。
必要な性能をみると、躯体は屋根裏や壁面、床面などに断熱材を適切に用いて内部空間をすき間なく包むなど、建物本体で高い気密性と断熱性を確保する設計とする。躯体を劣化させるほこりや雨水がたまりにくい構造を採用する。
展示エリア、収蔵エリア、管理エリアの区画分けや動線の重なりを避けることで、防火・防犯機能を高める。空調は交互運転ができるよう複数の設置を検討する。
収蔵庫や資料整理室は遮光構造を採用し、収蔵庫には資料の材質にあわせて二重壁構造を取り入れる。実験室は調査研究に不可欠なインフラを整備していく。
展示室は防音性を備えた遮光構造とし、可変性や更新性の高い構造を検討する。企画展示室には移動壁システムを導入する方向で検討している。
執務室は職員同士の交流が生まれるようコミュニケーションスペースを充実させるとともに、オープンな空間を目指す。
委員からは「もっと利用者目線の視点を」「安全性に十分配慮した施設にしてほしい」「夜間開館も考慮してはどうか」などの意見が出された。
建設候補地については、A案(増築+全面改修)、B案(生態園西側に新棟を建設し、本館と連絡通路で連結)、C案(西洋庭園に新棟を建設し、本館と新棟に分棟)の3案を検討。これまでの懇談会でC案の優位性が高くなっている。
県は、リニューアルを見据えたソフト面の基本計画となる「千葉県立中央博物館みらい計画」を2024年3月策定。必要な施設などについて検討し、ハード面の基本計画として「施設整備計画」の策定を進めている。
施設整備の基本的な考え方は、引き続き、青葉の森公園内に設置することとし、老朽化した既存施設の改修や増床を進めていく。
本館棟の構造・規模はRC造地下1階地上2階建て延べ1万5254平方m。1989年に完成し、築35年以上が経過。元設計は日本設計、元施工は清水建設が担当した。
