新年度に基本構想検討 統合による新県立病院整備で(県立病院あり方会議)

[2026/3/4 栃木版]

 県医療政策課は2日、県庁で第3回県立病院あり方検討有識者会議(委員長:小沼一郎栃木県医師会会長)を開催した。今回は、県立病院のあり方に関する検討報告書の案を事務局から示し、各委員から意見を聴取した。目指すべき方向性は、県立3病院と栃木医療センターの経営統合による新県立病院の整備とし、委員からはスピード感を持った整備の実施や既存の医療提供に影響を与えない整備計画の策定などを求める意見が出た。これらの意見も踏まえて報告書を策定し、今月26日にも福田富一知事に答申する予定。また新年度は、新病院の基本構想を策定する委員会を設置して、新病院の方向性の具体化を図る。

 この会議は、がんセンターとリハビリテーションセンター、岡本台病院の県立3病院の担うべき診療機能や役割などについての検討で、県内の医療関係者や学識経験者から意見を聴取するため設置された。

 第1回会議では、現在担っている県立病院の専門的な診療機能(がん医療、リハビリテーション医療、精神科医療)に加え、救急医療や災害医療、新興感染症、併存症患者への対応などを踏まえ、「県立病院の総合病院化」が必要としたほか、整備方法は宇都宮市内の公的病院との統合再編を考えることも考えられると意見した。

 第2回会議では、県立病院以外の病院との統合による総合病院化が現実的であり、相手方には国立病院機構栃木医療センターとの統合を推す意見が多く示された。また岡本台病院については引き続き独立したうえで、合併症のある精神救急患者に対応できるよう新病院に隣接して整備するよう求める意見があった。

 第3回となる今回は、これまでの意見を整理したうえで、県立病院のあり方に関する検討報告書案を協議した。提言は▽診療機能▽整備場所▽病床規模▽人材確保▽地域医療構想の推進▽経営の効率化-の6つの観点で整理し、診療機能は「総合病院(総合診療機能を備えた病院)化が必要」としている。

 また、整備場所は現在の県立病院の立地場所や他の医療機関との地域バランスを考慮しながら、病床規模については現在の許可病床数より削減することを基本に、それぞれ地域医療構想を踏まえて今後の検討を進めていくこととしている。

 地域医療構想の推進では、人材確保の観点から県立病院以外の病院との統合による総合病院化をすること、また2次救急や高齢者救急の機能等の総合診療機能のほか、災害医療や感染症対応の機能を備えていることや病院の立地場所で他の医療機関との地域バランス等を踏まえ、国立病院機構栃木医療センターとの統合が望ましいとした。

 県立病院が目指すべき方向性は、高齢社会に対応した病院、災害や新興感染症の発生時に率先して対応できる病院、現在の各病院の特性や専門性を活かした病院など、大きく5つの方向性を整理。再編統合にあたっては、県立3病院に加えて栃木医療センターを経営統合し、新たに地方独立行政法人県立病院機構を設立することをイメージしている。

 今後の進め方は、基本構想の策定に向けた委員会を新たに設置し、今回の検討報告書をベースに、新県立病院の整備に係る基本構想の策定に関し必要な意見聴取を行う。検討内容は新病院の診療機能や病床数、整備場所、事業スケジュール、収支計画など。広く県民の声を反映していくため、本年度の委員の他に県議会や市町、関係団体等も加えて、年3~4回程度会議を開催して検討を進めていく方針が示された。

 委員からは「計画策定に5年、施設建設に5年の計10年といったスケジュールでは遅すぎる。スピード感を持って事にあたってほしい」や「新たな病院の施設整備の際には既存の病院の医療提供が継続できるような計画にしてほしい」、「病床数は人口減少社会を勘案し、将来を見据えて効率的な規模としてほしい」などの意見が示され、検討報告書案を了承した。

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