要対策が247カ所 15年間/砂防施設の長寿命化(宮城県が計画改定)

[2026/3/17 宮城版]
 県は、砂防関係施設の長寿命化計画を改定した。砂防関係施設は1796カ所を一斉点検した結果、要対策箇所が156カ所から247カ所に増加。これを踏まえ事業投資額は約85億円から約125億円に、事業期間は10年間から15年間(2026~40年度)に見直す。優先順位を設けて修繕工事などの対策を計画的に実施する。

 県では、2016年に砂防関係施設の長寿命化計画を策定。その後、国のガイドラインが改訂されたことを受け、予防保全型による老朽化対策を一層推進するため、24年3月に同計画を改定した。

 このたび砂防関係施設の1796カ所を一斉点検し、新たな評価手法による健全度評価を行った結果、要対策箇所が増えた。これを受け、対策優先順位や事業投資額、事業期間などを見直す必要が生じたため、同計画を改定した。

 要対策箇所247カ所のうち、優先度1位は37カ所、2位は82カ所、3位は41カ所、4位は87カ所とした。これらは健全度を4段階で評価して設定した。

 1位は緊急的な対策が必要な健全度Dの78カ所のうち、主要構造物の機能に影響があるもの。2位は早期に対策が必要な健全度Cの169カ所のうち、主要構造物の機能に影響があるもの。

 3位は健全度がDで主要構造物の機能に影響がないもの。4位は健全度がCで主要構造物の機能に影響がないものとなっている。

 具体的な対策は、人命への影響が大きい地すべりと急傾斜地の対策を最優先とする。計画では今後10カ年で1位の37カ所をすべて完成させるとともに、現場近接箇所を組み合わせて発注することで、全247カ所の約69%に当たる169カ所(1位を含む)の完成を目指す。

 このほか、予防保全的な対策が必要な健全度Bが806カ所、当面対策が不要な健全度Aが743カ所ある。健全度Bは優先度5位とし、おおむね15年以降に、劣化予測によって健全度を評価した上で、重要度を踏まえて優先順位を決定する。

 修繕に当たっては、砂防施設は耐久性の高い部材を設置するとともに、充填剤の注入などを行う。地すべり箇所は軽量部材の活用や、アンカー工頭部の防食強化を予定。急傾斜地は薬液注入による機能回復・建設廃棄物の低減を図る。

 砂防関係施設の点検ではドローンや3次元点群データ・AIを活用する。定期点検は健全度Dが1年に1回、Cが3年に1回、Bが5年に1回、Aが10年に1回とする。

 県は予防保全対策を推進することで、事後保全対策と比べ、50年間で約73%(738億円)のコスト縮減を図る。併せて、国土強靭化予算や砂防メンテナンス事業などを活用し、予算を平準化させる。

12流域で土砂・洪水の氾濫対策

 県は「みやぎ砂防アクションプラン2024」を改定した。計画期間は2024~30年度の7年間。計画投資額は約460億円。新たに優先度の高い12流域で土砂・洪水氾濫対策計画を策定して計画的な氾濫対策を進めるほか、老朽化した砂防関係施設の要対策箇所247カ所のうち、30年度までに優先度が高い113カ所の整備完了を目指す。

 同アクションプランは24年度に策定。今回は土砂・洪水氾濫リスク箇所の抽出が完了したことや、長寿命化計画の改訂を踏まえ、同プランを見直す。7年間の計画投資額は約420億円から約460億円に増やす。

 同プランでは、主なハード対策として①土砂災害警戒区域の重要度に応じた計画的な事業②森林部局等と連携した流域治水砂防の観点での新たな砂防計画の策定③長寿命化計画を改定し、予防保全型の老朽化施設対策を推進――の3つを位置付けている。

 このうち、流域治水砂防への対応では▽馬籠川(気仙沼市)▽大沢川(石巻市)▽蛭沢川(大崎市)▽雉子尾川(丸森町)▽八幡川(南三陸町)▽江合川(大崎市)▽小田川(角田市)▽鉛川(栗原市)▽南沢川(登米市)▽田中川(松島町)▽金生川(栗原市)▽内松川(気仙沼市)――の12流域について、優先的に氾濫対策を推進することにした。

 具体的には1流域当たり少なくとも3カ所程度の砂防堰堤を設ける。多いところでは8~9カ所を設ける流域もある。

 老朽化した砂防施設関係への対応では、要対策箇所が247カ所に増加したことを踏まえ、老朽化が顕著な優先度の高い113カ所について、30年度までの整備完了を目標に掲げた。

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