オオバが代替地造成設計 川根工業団地を拡張へ(宮城県 大河原町)
[2024/5/16 宮城版]
大河原町は、金ケ瀬地区の川根工業団地について拡張を計画している。拡張用地として団地に隣接する県有地約2.2haを取得する方針で、これに代わる中の倉地区の約3.5haを代替地として造成後、県に引き渡す。本年度はこの代替地の造成実施設計に着手する。業務はオオバ(東北支店・仙台市青葉区)が担当する。履行期間は年度末まで。代替地は順調に進めば2026年度に造成着工となりそうだ。
オオバに委託したのは「川根工業団地用地拡張に伴う造成実施設計等業務」。12日に5社を指名して競争入札を開札したもので、同社が3820万円で落札。予定価格は4492万4000円だった。オオバは、用地拡張の基本構想、基本計画も担当した。
代替地は中の倉地区の白石川右岸堤内地に当たる農地約3.45haを見込んでおり、実施設計等業務では、対象地の造成に必要な実施設計と地質調査、農業振興地域内のため農地転用に係る法的手続きの支援などを担当する。履行期間は2026年3月16日まで。
同業務と並行して用地取得に必要な手続きも進める。当初予算には公有財産購入費として7744万円を確保済み。
川根工業団地は、南に白石川、北で国道4号と隣接する交通網が整った立地。町の中心市街地・住宅地にも近く、アイリスオーヤマ、インプレスなどの企業が進出している。現在は町所有の用地の全てが埋まっているものの、用地を照会する企業からの問い合わせや、団地立地企業から取得希望の声などもあったことから、町として需要に対応できるよう拡張を計画している。
拡張用地は団地南側で隣接する、旧・県立柴田農林高校(現・大河原産業高等学校)の農場約2.2haを取得する想定だ。
引き続き、拡張用地・代替地の用地取得に向けた県など関係者との協議・調整を進める。協議や取得が整い次第となるが、代替地は26年度の造成着工を見込む。拡張用地については、造成工事の時期、分譲区画、分譲方法などは現在のところ未定となっている。
同町では団地の分譲用地拡張により、新たな雇用創出や税収増へつなげたい考え。立地企業に対する立地支援策や税優遇策を準備している。