木更津港の港湾計画改訂へ 岸壁整備など検討(千葉県)
木更津港港湾計画策定検討会の初会合が20日、千葉県木更津市内で開かれた。2月に策定した長期構想を踏まえ、港湾計画の改訂に向けた検討を進めていくもので、年度内に素案をとりまとめる方針だ。大型船が入港できる岸壁や大規模地震に備えた耐震強化岸壁などの整備を検討していく。
この検討会は、学識経験者や国など行政機関、関係市、港湾関係者ら22人で構成。会長に渡邉豊東京海洋大学大学院教授が就任した。事務局は県港湾課が担当している。県土整備部の角田秀樹災害建設業担当部長は、木更津港のとりまく状況を説明し、長期構想をもとに港湾計画の改訂を進めていく考えを示した。
その方向性をみると、富津地区は、完成自動車の取り扱い機能を木更津南部地区から段階的に集約し、海上輸送拠点の形成を目指す。大型PCC船(船長230m)が接岸できる岸壁の整備や、ふ頭用地の確保が必要となっている。
木更津南部地区は公共バルク貨物を集約する方針。RORO貨物やクルーズ船への対応、大規模地震に備えた耐震強化岸壁の整備が求められている。物流施設の新設に向け、貯木場の埋め立てなど、用地の確保も検討していく。
今後の検討スケジュールは、幹事会での議論なども踏まえ、年度内に素案をとりまとめる方針。パブリックコメントや県の地方港湾審議会木更津港部会、国の交通政策審議会港湾分科会などを経て、2026年度の改訂を目指している。
木更津港は海上輸送網の拠点となる港湾法上の重要港湾に位置付けられている。鉄鋼業などに関連した外貿貨物や県内で産出される砂・砂利などの内貿貨物を中心に取り扱っている。
港湾計画を改訂してから10年以上が経過。木更津港を取り巻く環境や社会情勢が大きく変化したことから、港湾計画を改訂するため、本年2月に長期構想を策定した。
この構想は20~30年の長期的な視点から、港湾空間利用の基本的な方向性を示したもので、基本理念として「世界と繋がる木更津港」を掲げている。木更津南部、吾妻、江川、君津、富津の5地区について、将来像や実現に向けた取組施策、空間利用ゾーニングなどを盛り込んでいる。