マリンスタジアム再整備へ 屋外型スタジアム新設650億円 (千葉市)

[2025/5/23 千葉版]
 千葉市は、千葉マリンスタジアム(美浜区)の再整備に向けた基本構想案の骨子を発表した。幕張メッセ駐車場の敷地を活用し、幕張新都心の新たなまちづくりの拠点となる屋外型スタジアムを新設する計画。事業費は650億円を概算しており、2034年の開業を目指す。

 この基本構想は、竣工から35年が経過し、施設の老朽化や機能面での更新が課題となっている千葉マリンスタジアムについて、再整備の基本的な方針を示している。

 建設予定地として幕張メッセ駐車場の一部を活用する。必要となる約11haのまとまった敷地が確保できるため、多くの人が滞在・交流し、賑わいを創出できる機能も兼ね備えた、365日楽しめるスタジアムの整備が可能になるという。

 目指すべきスタジアムとして、まちとシームレスにつながる「エンターテインメントスタジアム」を掲げる。球場の形式は幕張の「海」「風」「空」を感じられる屋外型スタジアムを採用する。

 新たなスタジアムには、市民が利用できる公共施設としての「ベース機能」に加え、民間事業者の投資による整備を想定した「拡張機能」を誘導する。

 ベース機能をみると、収容人数は1割程度増やし、3万3000人程度とする。観客席の上部に屋根の設置を検討する。グラウンドは人工芝とし、コンサートなどの利用も想定している。

 拡張機能として、商業・エンタメ、滞在、広場などの機能を検討する。周辺の大規模商業施設との利便性などを考慮し、2階部分で接続する周遊デッキの整備を目指す。

 スタジアム整備費として約600億円を概算。スタジアム用地の外構費を含む周辺インフラ整備費は約50億円を見込んでいる。

 千葉ロッテマリーンズをはじめとする民間事業者のノウハウや資金の活用が不可欠であることから、市主導の「官民連携」による事業化を検討していく。

 骨子をもとに基本構想案をとりまとめ、パブリックコメントを経て、8月に策定する予定。その後、事業協力者を募集・決定し、基本計画で事業化の検討を本格化する。

 事業協力者の募集に向け、事業参画や公募条件などの意向を把握し、民間事業者が参加しやすい環境を整えるため、6月にサウンディング型市場調査を実施する方針だ。

 基本構想策定業務はEYストラテジー・アンド・コンサルティング(東京都千代田区)が担当している。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.