調節池の整備推進 流域治水対策 片柳では雨水渠幹線を(栃木市)
[2025/5/28 栃木版]
栃木市は、2015年の関東・東北豪雨や、19年の令和元年東日本台風の被災に伴う流域治水対策事業を進めている。市道路河川整備課治水対策室や市下水道建設課によると、25年度は▽清水川第1調節池整備工事▽清水川第2調節池整備工事▽旧赤津川河川整備工事▽坂ノ下川調節池整備工事▽坂ノ下川排水施設整備工事▽永野川左岸第1排水区樋管ゲート躯体工事▽岩崎川排水施設整備工事▽岩崎川排水路工事▽石橋川調節池整備工事-などを行う。
巴波川流域や永野川流域では、25年度に設計等業務の委託料で1750万円、工事費で19億2200万円、物件移転補償等で2520万円を計上している。
巴波川流域では、清水川で箱森町地内に第1調節池と第2調節池を整備する。第1調節池の規模は9200立方mで、工期は約12カ月間を予定し、第3四半期に予算額3億5500万円で発注する。また第2調節池の規模は2800立方mとなっており、工期は約12カ月間を予定。第3四半期に予算額1億5000万円で発注する。これら2調節池の設計は、三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)が担当した。
旧赤津川は、箱森町地内で河川整備工事(L100m)を予定しており、第2四半期に予算額6000万円で発注する。
県庁堀川でも2カ所の貯留施設の整備を構想しているが、安全性などを検討し、他の治水対策施設の整備の状況を見ながら事業を進める。
永野川流域では、坂ノ下川で調節池やポンプ設備を備えた排水施設を整備する。調節池の規模は約3000立方mとなっており、工期は約10カ月間を予定して、第3四半期に予算額2億5500万円で発注する。排水施設の工期は約12カ月間を予定し、第3四半期に予算額4億4000万円で発注する。これら2施設の設計は、三井共同建設コンサルタントが担当した。
岩崎川では、ポンプ設備を備えた排水施設と放水路を整備する。排水施設の工期は約12カ月を予定し、第4四半期に予算額4億4000万円で発注する。設計は、三井共同建設コンサルタントが担当した。放水路の延長は300mとなっており、工期は約6カ月を予定し、第2四半期に予算額3500万円で発注する。設計は、フィールドプランニング(栃木市)が担当している。
石橋川は、調節池を整備する。規模は約1800立方mで、設計や工事は本年度中に発注する見込み。事業費については未定となっている。
片柳市営住宅跡地(片柳4丁目地内、永野川左岸第1排水区)では、調整池の整備事業を進めている。調整池の規模は、1万7000立方m(A約9000平方m)で、永野川の堤防に隣接するように設置する。調整池整備の設計は、栃木県用地補償コンサルタントが担当した。
市下水道建設課によると、25年度は調整池内の雨水管渠を整備する予定で、第2四半期に予算額800万円で発注する。26年度は整備中の調整池の残工事を行うほか、調整池と永野川を接続する雨水渠幹線(L250m)の整備を予定している。雨水渠幹線は、28年度まで整備を行い、全体延長は1300mとなっている。26年度の概算事業費は、6億3000万円となっている。
なお市の流域治水対策事業では、田んぼダムの整備も進めている。25年度に栃木市土地改良区は吹上東部地区で5ha、栃木市西部地区で5ha、高谷地区で5haを予定。栃木市東部土地改良区は5haを予定している。
都賀町土地改良区は赤津北部地区で4ha、赤津南部地区で5haを予定。小倉堰土地改良区は4ha、大岩藤土地改良区は3haを予定している。今後は、市街地北部地域(巴波川・永野川上流部、猿渕川北部地域)での整備から、市内全域に拡大していく(杣井川流域、赤渕川下流流域など)。