「空港拡張は必要不可欠」 千葉県議会に補正予算など22議案提出 (熊谷知事)
6月定例県議会が28日に開会し、熊谷俊人知事は22議案を提出した。熊谷知事は「肉付け予算」となる補正予算案の概要を説明するとともに、このほど着工した成田空港の拡張事業の早期実現は必要不可欠と述べ、できる限り協力していく考えを表明した。会期は6月25日まで。
6月補正予算案は、当初予算が「骨格予算」であったことから、「肉付け予算」として、政策的な判断が必要な経費や新規事業、投資的経費のうち新規着手分などを中心に編成している。
産業の振興や道路ネットワークの整備など、県の発展に不可欠な事業のほか、教育環境の充実やこども・若者の支援をはじめ、医療・福祉の充実、環境対策の推進、文化・スポーツ振興など、「千葉の新たな飛躍」に向けた事業費を計上している。
北千葉道路をはじめとした道路ネットワークの整備を強力に進めるとともに、激甚化する災害から県民の生命・財産を守るため、河川の改良や海岸保全施設の整備、土砂災害対策を実施する。
大規模災害時に市町村が的確に市街地の復興に取り組めるよう、事前復興まちづくり計画の策定を支援する手引きを作成する。老朽化が進む県庁舎などの再整備について、基本構想や基本計画の策定を進めていく。
一般会計の補正予算額は816億6700万円で、補正後の予算規模は2兆1858億1700万円となる。
熊谷知事は、成田空港をめぐる動きについて報告した。成田国際空港株式会社から、第3滑走路の新設などに必要となる用地の8割超を確保した旨の発表があり、5月25日には多くの関係者の参加のもと、着工式典が開催された。
成田空港の拡張事業の早期実現は、国際ハブ空港としての競争力の強化に向け、必要不可欠とし、空港会社の取り組みにできる限り協力する考えを示した。
空港を核とした国際的な産業拠点の形成と、その受け皿となるまちづくりの実現のため、4月1日に空港会社とともに、新たな組織として「NRTエリアデザインセンター」を開設した。
センターでは、地域として目指すべきビジョンやゾーニングなどについて、民間事業者の知見も取り入れながら検討を進めていく。成田空港の拡張事業の効果を、空港のみならず、周辺地域に最大限波及させるための取り組みを強力に進める考えを示した。
このほか、総合計画や行財政改革計画、大阪・関西万博への出展について、県の取り組み状況を報告した。