新郷土館の整備へ 基本構想 候補地は役場敷地内で検討(野木町)
[2025/5/30 栃木版]
野木町は、新郷土館整備基本構想を策定した。それによると、新郷土館には収蔵庫、展示室、資料整理室・ワーキングルームなどを設け、ユニバーサルデザインに配慮し、想定面積は500平方mとする。整備候補地は、現在の町役場敷地内から▽現郷土館・旧相撲場・現弓道場敷地▽現郷土館・旧相撲場敷地▽町役場新館の転用▽新町役場新庁舎内-の4案を検討していく。
現在の郷土館は、旧野木中学校音楽室(1947年建設・S造平屋建て・延べ床196平方m)を活用しているが、建築から約80年が経過して施設の老朽化が顕著となり、増加する歴史・民俗資料で展示スペースや収蔵庫に空きがない状況が続いている。さらには空調設備もない劣悪な収蔵環境にあり、文化財を次世代に継承することが困難となっていることから、新しい郷土館の整備に着手する。
基本構想によると、新郷土館の役割は▽町民とともに野木町の歴史や文化を学び、守り、伝える郷土館▽歴史・文化に触れ学ぶことにより生涯にわたる学習を支援する▽多くの町民が交流し、活動を通して野木町の新たな価値や魅力を創出する郷土館-とする。収集と保存に向けては温度・湿度調整ができる十分なスペースのある収蔵庫を整備し、搬入口や一時保管庫も確保する。調査・研究では資料整理室(資料研究・閲覧室を兼務)を整備し、学芸員・町民・研究者等の調査研究や関係団体の活動拠点を想定しながら、規模・設備・配置等を検討する。
展示・公開では、野木の台地と人々の暮らしをテーマにした常設展示室や、企画展示やギャラリー機能を備えた展示室を整備する。教育普及活動に向けては、ワーキングルームの整備が必要になるとしている。
新郷土館には▽搬入口、トラックヤード(A20平方m)▽前室(A20平米)、収蔵庫(A120平方m)▽資料整理室・ワーキングルーム(研修室、A40平方m)▽常設展示室(企画展示含む、A180平方m)▽事務室・給湯室・更衣室(A20平方m)、打合室(A20平方m)、電気・機械室(倉庫含めてA20平方m)▽休憩スペース・エントランスホール(A30平方m)トイレ等(多目的トイレや授乳室含む、A30平方m)-を設ける。
整備候補地のうち、現郷土館・旧相撲場・現弓道場敷地の案は3施設を解体して新郷土館を建設するもので、弓道場移設の代替案や駐車場の整備などが検討事項となっている。整備の想定スケジュールは、開館年度3年前に基本計画を策定し、2年前に実施設計や旧相撲場や弓道場の解体工事を行い、1年前に施設の建築工事や外構工事を実施する。開館1年後には、旧郷土館を解体して跡地の外構工事を行う。
現郷土館・旧相撲場敷地の案は、2施設を解体して新郷土館を建設するもので、弓駐車場の整備や整備面積の都合による機能の一部縮小等の対応策などが検討事項となっている。整備の想定スケジュールは、開館年度3年前に基本計画を策定し、2年前に実施設計や旧相撲場や郷土館の解体工事を行い、1年前に施設の建築工事や外構工事を実施する。
町役場新館の案は、計画されている町役場新庁舎の整備で利用されなくなるフロアを利活用するもので、利活用フロアの全面改修や十分な施設機能が確保できない可能性があることが検討事項となっている。新町役場新庁舎内に設置する案は、庁内検討委員会の方針に合わせて検討していく。
運営については当面直営とし、清掃や警備等の一部業務は民間企業に委託する。そのうえで今後、状況に応じて指定管理者の導入を検討する。