駅周辺で賑わい創出 駅西口整備計画懇談会 北地区に集約駐車場(宇都宮市)

[2025/5/31 栃木版]

 宇都宮市は29日、ライトキューブ宇都宮で第5回JR宇都宮駅西口周辺地区整備基本計画策定懇談会(会長・森本章倫早稲田大学教授)を開催した。今回の会議では、(仮称)宇都宮駅西口周辺地区整備基本計画案の土地利用方針について協議した。それによると、駅前広場に交流広場や交通利便機能、中央地区に商業機能等の広域的な交流と賑わいの空間、南地区に居住・宿泊・商業・業務等の導入やタクシー利用者の停車スペースの設置、北地区に都市機能のほか集約駐車場の設置、田川周辺エリアに水や緑を生かした飲食施設等の賑わい空間を形成するとしている。

 市は、JR宇都宮駅西口周辺地区で魅力あふれる空間を創出するため、(仮称)JR宇都宮駅西口周辺地区整備基本計画の策定に向けた検討を進めている。駅前広場は、駅西口中央に交流広場やLRT(ライトライン)停留場、南側にバス空間、北側にタクシープールや一般車乗車場を配置し、駅・LRT停留場・各街区等を連絡する2階通路となるペデストリアンデッキを整備する。

 駅西口周辺地区の土地利用は、駅前広場、駅前広場北のトナリエを含む中央地区、宮の橋を含む田川周辺エリア、市街地開発事業が進められている南地区、駅ビルのパセオを含む北地区に区分して方針を設定している。

 駅前広場(交流広場等)は、各交通モードが共存した人中心のウォーカブルな空間を形成する。交流広場は、乗継ぎの合間に休憩や飲食等を利用できるものとし、使い勝手のよい可変性のある空間を検討して民間街区の低層階の賑わい機能との一体感を醸成し、まちづくりの担い手の意見を聞きながら施設配置や設備を検討する。交通利便機能は、チケットセンター、情報発信機能、ベンチ、トイレなどとし、LRTの桁下空間の有効活用も検討する。

 中央地区は、広域的な交流と賑わいの空間を形成する。商業機能は広場空間に隣接して配置(3階レベルまで)とし、広場に面する部分には低層棟(3~5階程度)を配置して高層棟の配置を避ける。商業のほか、医療・健康、教育・文化、業務、宿泊、子育て機能、多世代交流(会議室、多目的室など)を構想し、市有地(床)の有効活用も検討する。民間開発の駐車場は駅前広場へ過度な自動車の流入できるよう調整を図り、商業施設等の附置義務駐車場の一部は隔地による集約駐車場等への設置を検討する。2階デッキの歩行者動線は、東西軸・南北軸の回遊性を高めるものとする。

 南地区は、歩行空間や緑を感じる沿道を生かした、憩いへとつながる生活空間を形成する。導入機能は、居住、宿泊、商業、業務などとし、駅南側のタクシー利用者の降車ニーズに対応できる道路空間も含めた停車スペースを検討する。

 北地区は、基盤整備で低未利用地を利活用して都市機能の導入など賑わい空間を形成する。医療・商業等の機能は、低層階(2階レベルまで)の配置を検討する。教育・文化機能の導入にあたっては、旧篠原家住宅や周辺の歴史文化施設を生かせる機能を検討する。集約駐車場は、公共交通機能利用者の長時間利用、商業施設等の附置義務駐車場の一部を担うとともにまちなか来訪者等の受け皿として適正な規模を検討するほか、民間貸切車両(バス等)の送迎用の駐車機能も検討する。

 田川周辺エリアは、地域資源を生かした水や緑を感じられる賑わい空間を形成する。居住、宿泊、商業などの機能を導入し、田川に隣接する強味を生かした飲食施設などを検討する。

 今後の想定スケジュールは、駅前広場を2030年ごろまでに整備し、30年代から駐車場の適正化や需要に応じた交通空間の適正化を図っていく。南地区は40年ごろまで老朽建物の更新や都市機能導入に向けた市街地再開発事業等を検討し、40年代から市街地再開発事業等を推進していく。

 中央地区は、50年ごろまで事業化に向けた検討(導入機能、アクセス動線、事業スキーム)を行い、市街地再開発事業等を推進し、駐車場の適正化・集約配置(集約駐車場の整備)や土地区画整理事業も進めていく。北地区は権利者の意向を確認してから事業化に向けた検討(導入機能、アクセス動線、事業スキーム)を行い、市街地再開発事業等を推進する。

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