生産革新センターが着工 宮城県 大和町で大成建設の新築 半導体製造装置工場(東京エレクトロン)
[2025/6/3 宮城版]
東京エレクトロン(東京都港区)が大和町に新築する半導体製造装置の製造工場「宮城生産革新センター」が2日、着工を迎えた。新築設計・施工を手掛ける大成建設(東北支店・仙台市青葉区)が現地で起工式を開き、神事を執り行って工事の安全を祈願した。2027年夏の竣工を予定している。建設費は約1040億円。
新築場所は大和町テクノヒルズ83で、東京エレクトロンの製造子会社である東京エレクトロン宮城の本社工場内。敷地面積は約11㏊。新工場はS造全免震構造5階建て延べ約8万8600㎡の規模(付帯設備エリアを除く)。
特徴はNet ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)対応の建屋や省エネ設備などを導入し、環境負荷を抑制することで、東京エレクトロンが掲げる2040年ネットゼロの目標達成に取り組むこと。
新工場はこれまで生産新棟と称していたが、正式名称が「宮城生産革新センター」に決定。主にプラズマエッチング装置など半導体製造装置を製造する。1~3階は物流エリアで、4階が製造エリア、5階が供用エリアで見学などに対応する。
2日の起工式には東京エレクトロンや大成建設の関係者、村井嘉浩知事、浅野俊彦大和町長、若生裕俊富谷市長など約90人が出席。神事で鍬入れの儀や玉串奉てんなどを執り行い、工事の安全と無事完成を祈願した。
鍬入れの儀では、大成建設の松村正人常務執行役員設計本部長が鎌を振り、東京エレクトロンの河合利樹代表取締役CEOと同社宮城の神原弘光代表取締役社長が鍬入れ、大成建設の土屋弘志副社長執行役員営業総本部長が鋤入れを行った。
神事後のあいさつで神原社長は「今後デジタル技術の活用がさらに進む中で、半導体の技術革新が加速しており、半導体製造装置市場の拡大が見込まれている」とし、東京エレクトロンが参入する「ドライエッチング装置事業のさらなる発展が期待される」と述べた。
新工場については「次世代生産のあり方を実現するスマートプロダクション構想に基づき、高い生産能力を持つ高品質・高効率な製造ラインを構築し、お客さまの求める付加価値の高い製品をよりタイムリーに提供していく」と意気込んだ。
なお、半導体市場は2030年には1兆ドル以上の規模に成長すると予想されている。