かずさアカデミアパーク3区画の企業立地を協議 (千葉県)
[2025/6/5 千葉版]
千葉県は4日、研究所や製造施設などの集積を目指す「かずさアカデミアパーク」について、企業立地の進ちょく状況を明らかにした。分譲中の産業用地4区画について、3区画で具体的な申し出があり、実現に向けた協議を進めていることが分かった。
4日に開かれた定例県議会の代表質問で、阿部俊昭議員(公明党)は、かずさアカデミアパークの将来像などについて、県の考えをただした。
県は2011年度に策定した事業方針に基づき、研究開発機能と生産機能を併せ持つ工場を中心に、幅広い産業分野の誘致を推進。併せて、地域企業の連携強化など、立地環境の改善に取り組んでいる。
民間研究所などを誘致するための区画は35区画。11年度末で20区画の立地にとどまっていたが、24年度末で31区画の立地が決定するなど、企業立地が大幅に進展している。
分譲中の4区画19haについては、3区画で具体的な申し出があり、実現に向けた協議を進めている。残る1区画についても、幅広い誘致に取り組んでいる。
分譲済みであるものの、未利用となっている6区画については、パーク全体の活性化に資する土地活用となるよう、所有企業と継続的に協議している。
熊谷俊人知事は、本県経済をけん引する地域として、今後の成長が見込まれる産業分野を中心に研究所や先進的な製造施設などの立地をさらに進めていく考えを示している。
かずさアカデミアパークは成田・羽田空港への高いアクセス性と緑豊かな自然環境が両立している、本県を代表する産業用地。木更津市と君津市にまたがり、全体面積は約278ha。このうち研究所・工場用地は約149haを占める。
バイオライフサイエンスの基礎研究分野で世界をリードする「かずさDNA研究所」が立地。研究員の増員など体制を強化したことで、産業支援機能がさらに充実し、研究開発・製造拠点としてのポテンシャルが高まっている。
県はこの強みを生かし、製造業のマザー工場や研究開発施設などを中心に企業誘致を推進。放射性医薬品関連企業からの立地申し出があるなど、医薬品分野をはじめ、先端技術を持つ企業からのニーズが高まっているという。