成田空港施設の機能強化へ中間案 ターミナル集約や鉄道複線化を検討(国交省)
[2025/6/7 千葉版]
国土交通省は「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」(委員長・山内弘隆武蔵野大学特任教授)で中間とりまとめ案を提示した。集約型のワンターミナルや新たな貨物地区を整備するほか、鉄道の複線化などを検討していく方向性が盛り込まれている。
成田空港を国際ハブ空港とするため、「更なる機能強化」に伴い、空港施設を機能強化することが必要不可欠となっている。そのため、航空事業者や鉄道事業者など関係者が議論し、基本的な整備の方向性をとりまとめている。
旅客取扱施設については、集約ワンターミナル方式に優位性があり、館内移動を円滑化するモビリティの導入が望ましいとした。
貨物取扱施設については、貨物上屋やフォワーダー施設を集約し、空港隣接地との一体的運用を可能とする新貨物地区の整備が盛り込まれている。
輸送力増強の方策として、列車の増発・長編成化、ボトルネック解消のための鉄道施設の改良などともに、複線化についても検討を進めていく。
空港駅については、輸送力の増強や利便性の向上が必要とし、空港の国際競争力を確保するためには旅客ターミナルに直結した位置に設置されていることが望ましいとしている。
これらの方向性に基づき、空港の本体施設については、成田国際空港(NAA)が中心となり、国土交通省や関係事業者の意見を踏まえながら、具体的な計画の策定に着手する。需要に応じて段階的に整備することを想定している。
鉄道については、国土交通省、NAA、関係事業者、関係自治体が協議しながら、具体的な対応内容を検討していく。
この検討会は有識者や国、県、NAA、航空事業者らで構成し、24年9月に発足。新滑走路の整備などによって、成田空港の年間発着回数が50万回に増加されることを受け、ターミナルなど空港施設の再編や空港への鉄道アクセスなどの将来像を議論している。