新焼却施設848億円 日量306tでDBO方式を採用(千葉県市原市)
[2025/6/10 千葉版]
市原市は9日、新たなごみ焼却施設の基本計画を明らかにした。福増クリーンセンター内で日量306t規模の施設をDBO方式で再整備する計画。処理方式はストーカ式を採用し、夷隅地域との広域処理も進めていく。事業費は848億円を概算している。
この基本計画は、新焼却施設を整備するために必要となる広域化・集約化の検討、処理方式、施設整備の基本条件、事業方式などを整理し、いすみ、勝浦、大多喜、御宿の夷隅郡市2市2町との広域処理を前提にとりまとめた。
焼却施設の建設地は福増クリーンセンター敷地北側の約9100平方mを選定している。処理能力は日量306t。その内訳は通常時278t、災害廃棄物28tとなっている。事業者の選定に当たり、最新データを踏まえ、処理能力を再度算出する。
処理方式は「ストーカ式」と「ストーカ式+ごみメタン化施設」を比較検討。建設実績が最も多いことから技術の成熟度が高く、安定稼働につながる「ストーカ式」を選定している。
余熱利用の発電出力は既設の約3倍に当たる7600kWを目指す。発電した電気は、場内施設や自己託送により、市の公共施設へ供給するとともに売電する計画だ。
事業方式は「DBO方式」と「公設公営方式」について、定量的・定性的な評価を実施した結果、優位性が確認された「DBO方式」を採用する。
事業費は整備費552億円、20年間の運営費296億円の計848億円を概算。2市2町との費用分担については、各市町のごみ量に応じて費用を分担する「ごみ量割り」を想定している。
事業スケジュールをみると、27年度から28年度にかけて造成工事を実施。28年度から新焼却施設の設計や工事などを進め、32年度の供用開始を目指す。
基本計画策定支援業務は建設技術研究所(千葉事務所・千葉市中央区)が担当している。
本年度予算では、事業者選定支援業務について、27年度までに総額7007万円の継続費を設定したほか、造成工事の詳細設計や地質調査の委託料などで5628万円を計上している。