[2025/6/10　栃木版]

　県上下水道課は、水道事業の国への交付申請の概要をまとめた。このうち水道水源開発等整備費補助金事業は5市町に計2億7705万円、上下水道一体効率化・基盤強化推進事業は1市に266万円、防災・安全交付金事業は8市町に2億4103万円を交付申請した。新規事業は、水道水源開発等整備費補助金事業で佐野市と鹿沼市が浄水場への紫外線処理設備を導入。防災・安全交付金事業では、宇都宮市が取水井から白沢浄水場までの基幹管路更新、小山市が若木浄水場の耐震補強、大田原市と那須塩原市、上三川町が配水管の耐震管への布設替に着手する。

　事業の内容を見ると、水道水源開発等整備費補助金事業ではクリプトスポリジウム対策として、佐野市が飛駒浄水場、鹿沼市が口粟野第1浄水場への紫外線処理設備導入に着手する。佐野市は本年度単年で設備を整備し、鹿沼市は本年度に実施設計を策定して26年度の導入完了を目指す。

　このほか、茂木町は後郷浄水管理センター、鹿沼市は粕尾第2浄水場への紫外線処理設備導入で本年度内の完了を目指し、芳賀中部上水道企業団は芳志戸浄水場への紫外線処理設備導入を継続。宇都宮市はカビ臭物質への対策として、松田新田浄水場への粉末活性炭注入装置導入を完了させる。

　上下水道一体効率化・基盤強化推進事業では、足利市が上下水道DX推進事業として、市民参加型の水道検針アプリを開発する。24年度までに行った実証実験で機能改善などを実施し、6月から本格運用を開始する。

　防災・安全交付金事業では、宇都宮市が導水管・送水管耐震化事業で取水井から白沢浄水場までの基幹管路の耐震管更新に着手する。全体延長は1500mで、事業期間は28年度までの4カ年。本年度は導水管布設替で、口径600mmのNS形ダクタイル鋳鉄管を延長380m、口径400mmのGX形ダクタイル鋳鉄管を230mなど計画する。

　小山市は、基幹水道施設となる若木浄水場の耐震化に着手して、27年度までの3カ年で実施する。本年度は、沈砂池や高速凝集沈澱池、および急速ろ過池の耐震補強工事を実施する。

　大田原市と那須塩原市、上三川町は、重要施設への配水管の耐震管への布設替に着手する。大田原市は両郷地区コミュニティセンター、中野内集落センター、旧両郷中学校を対象に、全体延長820mを26年度までの2カ年で施工する。

　那須塩原市は、にしなすの運動公園、健康長寿センター、狩野公民館、西那須野中学校、那須拓陽高校など全体延長7833mで計画し、29年度の完了を目指す。上三川町は上三川町役場、上三川小学校、上三川中学校など全体延長2480mと、本郷北小学校、本郷小学校、本郷中学校など全体延長3840mを、それぞれ30年度までに布設替する。

　このほか継続事業では、大田原市が導水管・送水管耐震化事業で大田原浄水場から大田原配水池までの耐震性の低い経年基幹管路を耐震管へ更新している。全体延長は750mで、27年度の完了を目指す。また黒羽配水池、大田原浄水場、佐久山東部浄水場、狭原浄水場、湯津上低区配水池、両郷配水池、片田配水池、須賀川配水池、桧沢配水池の9カ所で19年度から基幹水道施設の耐震化(補強)に取り組んでおり、本年度は両郷配水池の耐震補強工事を実施する。

　那須塩原市も、那珂川水源分水口から鳥野目浄水場まで全体延長2670mの基幹管路を耐震管へ更新しており、本年度は530mの工事を予定。基幹水道施設の耐震化は鳥野目第3配水池、要害配水池、東那須野低区配水池、低区配水池、板室本村高区配水池、鳥野目浄水場、千本松浄水場、要害浄水場の8カ所で19年度から改築・更新を実施しており、本年度は鳥野目浄水場の着水井、ブロック形成池、沈殿池、急速ろ過池の更新を実施する。

　水道施設整備費補助金の内示箇所は次の通り。(▽市町村名＝[1]補助事業名[2]事業期間[3]本年度実施内容[4]25年度交付申請額、▼は新規)
【水道水源開発等整備費補助金事業】
▽宇都宮市＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2024～25年度[3]カビ臭原因物質連続測定装置整備[4]3146万円
▼佐野市＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2025年度[3]紫外線処理設備整備[4]3575万円
▼鹿沼市＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2025年度[3]実施設計[4]34万円
▽鹿沼市＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2024～25年度[3]紫外線処理設備整備[4]1315万円
▽茂木町＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2023～25年度[3]紫外線処理設備整備[4]1億0835万円
▽芳賀中部上水道企業団＝[1]高度浄水施設等整備費[2]2024～26年度[3]紫外線処理設備整備[4]8800万円
【上下水道一体効率化・基盤強化推進事業】
▼足利市＝[1]上下水道DX推進事業[2]2025年度[3]6月より本格運用を開始[4]266万円
【防災・安全交付金事業】
▼宇都宮市＝[1]導水管・送水管耐震化事業[2]2025～28年度[3]導水管布設替(DIP〔NS〕Φ600延長380m、DIP〔NS〕Φ500延長120m、DIP〔GX〕Φ400延長230m、DIP〔GX〕Φ300延長10m)[4]4577万円
▽鹿沼市＝[1]重要施設配水管[2]2018～25年度[3]配水管布設替(DIP〔GX〕Φ350延長20m、PPΦ100延長170m)[4]1245万円
▽鹿沼市＝[1]重要施設配水管[2]2018～25年度[3]配水管布設替(DIP〔GX〕Φ400延長220m)[4]1778万円
▼小山市＝[1]基幹水道構造物の耐震化(補強)[2]2025～27年度[3]若木浄水場における沈砂池、高速凝集沈澱池及び急速ろ過池の耐震補強工事[4]829万円
▽小山市＝[1]重要施設配水管[2]2018～25年度[3]配水管布設替(HPPEΦ75延長250m)[4]711万円
▽大田原市＝[1]導水管・送水管耐震化事業[2]2024～27年度[3]送水管布更新(DIP〔GX〕Φ300延長190m)[4]674万円
▽大田原市＝[1]基幹水道構造物の耐震化(補強)[2]2019～26年度[3]両郷配水池の耐震補強工事[4]217万円
▼大田原市＝[1]重要施設配水管[2]2025～26年度[3]配水管布設替(HPPEΦ100延長750m、HPPEΦ50延長70m)[4]1107万円
▽那須塩原市＝[1]導水管・送水管耐震化事業[2]2022～29年度[3]導水管更新(DIP〔NS〕Φ500延長530m)[4]817万円
▽那須塩原市＝[1]基幹水道構造物の耐震化事業(改築・更新)[2]2017～29年度[3]鳥野目浄水場(4施設)の更新、着水井・ブロック形成池・沈殿池・急速ろ過池[4]7490万円
▼那須塩原市＝[1]重要施設配水管[2]2025～29年度[3]配水管布設替(DIP〔GX〕Φ400延長120m)[4]528万円
▼上三川町＝[1]重要施設配水管[2]2025～30年度[3]配水管布設替(HPPEΦ150延長200m)[4]833万円
▼上三川町＝[1]重要施設配水管[2]2025～30年度[3]実施設計[4]833万円
▽塩谷町＝[1]重要施設配水管[2]2019～29年度[3]配水管布設替(DIP〔GX〕φ150延長384m、DIP〔GX〕φ100延長266m)[4]1807万円
▽高根沢町＝[1]重要施設配水管[2]2022～30年度[3]配水管布設替(DIP〔GX〕φ200延長100m)[4]650万円