実施設計に着手 道の駅 来年度から造成工事へ(那珂市)

[2025/6/13 茨城版]
 那珂市は、複合型交流拠点施設「道の駅」推進事業で、本年度の当初予算に4億1227万円を確保した。実施設計や用地取得などに着手する。実施設計については、24年度に基本設計をまとめたエイプラス・デザイン(水戸市)と、9050万8000円(税込み)で5月に随意契約を結んだ。設計は年度内にまとめたあと、26年度に造成工事を行い、27-28年度に本体工事を進める。開業は28年秋ごろを予定し、概算事業費には29億3000万円を投じる。

 道の駅は、飯田地内の那珂インター線と菅谷・飯田線(バードライン)に面する那珂IC周辺地域の飯田押敷交差点北西側の約4万3000平方mの敷地を活用して整備する。関連道路として、整備予定地に沿って那珂インター線と菅谷・飯田線を結ぶ外周道路を新設。外周道路から那珂インター線へアクセスできる交差点と、菅谷・飯田線の北側へ信号機を設置した交差点を設ける。

 24年度には、世界の建築や建築史に造詣が深い建築家の藤森照信氏を起用し、エイプラス・デザインと共同で基本設計を策定。本年度も藤森氏(藤森研究室)と実施設計に関するアドバイザリー契約を交わしている。

 建物の意匠は、焼杉を使用した南向きの「山」を作ったシンボルとし、「里山」をコンセプトとした木造の施設を配置する。敷地内に4棟の建築物を配置。シンボルとなる「山」の裏側に配置する南棟は2階建て、ほかの3棟は平屋とする。建物の周囲は回廊でつなぎ、分棟化した施設全体にひとつのまとまりを持たせる。シンボルとなる南向きの「山」は最大高さを約15m程度とし、駐車場は敷地の南側に配置して、訪れた人の目を引く特徴的な構造物とする。

 建物は4棟で延べ約2825平方mを想定。2階建ての南棟(約820平方m)には、1階に店舗や厨房加工施設、観光情報案内スペース、事務室など。2階にフードホール(108席)などを配する。西棟(約975平方m)は観光物産販売所や農産物直売所、保管庫など。東棟(約500平方m)には多目的・カフェスペース、無料休憩スペース、トイレ、ベビーケアルームなど。北棟(約530平方m)には全天候型プレーゾーン(約490平方m)や管理室、倉庫などを設ける。

 敷地内には駐車場のほか、イベントスペースや晴天プレイスペースなどを整備する。駐車場は一般418台、大型30台、バイク30台、従業員用50台の合計528台が駐車可能の規模とする。

 事業費のうち、建築工事は19億1000万円、外構工事は6億4000万円、造成工事は3億8000万円を充てる。

 建設地は調整区域のため、県と事業認定に向けた協議を進めている。早ければ8月ごろに認定を受け、用地取得に着手。施設運営には第三セクターの設立を予定する。

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