道路ルート選定へ4案 仙台東道路の導入空間検討(東北整備局)

[2025/6/12 宮城版]
 東北地方整備局は11日、仙台東道路の整備ルートを選定するため、想定導入空間として4案を示した。いずれも既存の道路上をなぞる形で仙台東部道路と仙台西道路を結ぶイメージになっている。道路形式については地下構造(トンネル)、高架構造、現道拡幅+高架構造の3パターンを想定。今後は導入空間の4案をベースに、概略ルートや道路構造を絞り込む。

 11日は仙台河川国道事務所でウェブも併用しながら「社会資本整備審議会道路分科会第48回東北地方小委員会」を開催し、計画段階評価として仙台東道路のあり方を有識者と話し合った。同局が想定する導入空間として4案を示し、これを基に検討を深めていくことにした。

 4案は①定禅寺通+国道45号+他路線を経由したクランク接続(幅員約22~46m)②広瀬通+元寺小路福室線(同36~40m)③広瀬通+元寺小路福室線+原町岡田線+他路線を経由したクランク接続(同36~40m)④青葉通+清水小路多賀城線+他路線を経由したクランク接続(同25~50m)――となっている。

 これらを選定・抽出するに当たっては▽仙台東部道路~仙台西道路を直結することが可能▽政策目標を明らかに達成できない空間は選定しない▽仙台駅や広域防災拠点など拠点への接続が可能▽市街地に配慮し既存道路等の公共空間の活用を基本とする――といった条件を満たすことを前提とした。

 仙台東部道路と仙台西道路を結び、拠点を接続する4車線以上の都市計画道路は定禅寺通や広瀬通など7路線で、仙台都市圏の高規格道路ネットワークの一部を担う路線として連続性を考慮した結果、4つ導入空間案を選び出すこととなった。

 今後は、同委員会で設定された基本条件を明らかに達成できない空間を除外するとともに、必要となる道路幅員を確保できるかを考慮した上で、対象路線を選定する。概略ルートや構造は選定された導入空間を基本に検討する。

 基本条件については、「東西方向の交通需要に対応できるネットワークの確保」、「アクセスコントロールされたサービス水準の高い道路」、「交通結節点との接続強化」の3つを設定している。

 政策目標に関しては、仙台市東部地域の交通容量不足の解消や、非常時における広域防災力の機能確保など5つを掲げている。これは前回の会議から変更していない。

 第48回の東北地方小委員会には、同局から井上圭介道路部長や、阿部俊彦仙台河川国道事務所長らが出席。同委員会のメンバーは、菊地輝委員長(東北工業大学教授)ら6人が出席した。

 委員からは導入空間について「合理的に選定されたと思う」という評価が下された。今後のルート選定に当たっては洪水・土砂災害の状況なども検討材料にするのかという質問が出され、同局が検討材料にすると答えた。

 仙台東道路は地域高規格道路に指定されており、同局が整備に向けて計画段階評価を進めている段階。本年度は仙台河川国道事務所が「仙台都市圏幹線道路整備計画検討業務」をパシフィックコンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)に委託し、最適な概略ルートと構造に関する技術的な検討を行う。道路整備計画案に関する意見聴取や、そのとりまとめも実施する。業務の履行期間は2026年3月13日まで。

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