斎場新設など検討へ 建設候補地や課題整理(千葉市)
[2025/6/19 千葉版]
千葉市は、斎場の再整備に向けた検討を加速する。神谷俊一市長は、日本環境斎苑協会(川崎市川崎区)がとりまとめた調査結果などを踏まえ、新たな斎場を整備する場合の建設候補地や課題の整理、周辺地域の合意形成の手法などの検討を進めていく考えを示している。
同市では昨年度、斎場のあり方を検討するため、死亡者数や火葬件数の推計、現斎場の火葬能力を踏まえたシミュレーション、施設の拡張や設備の増強、新設の可能性について調査・研究を実施した。
それらの結果を踏まえ、本年度は新設も含めた斎場整備の検討を早急に進めていく。新たな斎場を整備する場合の候補地や整備に当たっての課題の整理、周辺地域の合意形成の手法などに関する調査・検討を実施する方針だ。
神谷市長は、6月市議会定例会で斎場のあり方について、「今後も高齢化が進み、火葬需要の増大が見込まれる中、長期間の火葬待ちが発生しないよう環境を整えておくことは、市民の安心感につながり、遺族の気持ちに寄り添った対応が求められる施設として重要」と話している。
千葉市斎場は緑区平山町にあり、2005年6月に供用を開始した。敷地面積は約4万平方m。火葬施設と式場で構成し、施設の構造・規模はRC造地下1階地上2階建て延べ1万3100平方m。駐車場は200台分のスペースを備えている。
火葬施設では火葬炉(16基)や告別室(4室)、収骨室(4室)、待合室(14室)を設置。式場には50人席用と100人席用が各2室や、6体分を収容できる霊安室などがある。元設計は梓設計(東京都大田区)、元施工は大成建設・飛島建設・大本組・新日本建設JVらが担当している。
同市がとりまとめた2026年度国の施策と予算に対する重点要望では、火葬場の整備に対する支援が新たに盛り込まれている。同市では近い将来、火葬需要が既存の火葬場の供給能力を超える見込み。火葬場の新設を含めた火葬供給力の増強に向けた早急な対応が求められているが、多額の財政負担が大きな課題となっている。