農地111haを区画整理 村田の関場・沼田地区 事業費約43億円(宮城県大河原振興事務所)

[2025/6/19 宮城版]
 県大河原地方振興事務所は、村田町の関場・沼田地区で農地整備を推進する。同地区は本年度の新規採択事業。111haを対象に区画整理し、農地集積を図るとともに生産性が高い優良農地を確保する。総事業費は43億円で、このうち測量設計を含むハード整備に38億8900万円を充てる。7月上旬ごろに法手続きが完了する見通しで、具体的な区画整理に向けた測量設計は、2026年度以降の着手を見込む。33年度の事業完了を目指す。

 事業計画を見ると、道路などを含む全体面積は130haで、受益面積が125ha。このうち区画整理の対象は111haとし、1ha以上(148×82m)の区画は全体の約47%にあたる約53ha確保する。区域内の道路は計45路線.17kmで、いずれも敷砂利とし、幅員は支線道路が5m、耕作道路が4m。

 用水は揚水機場を2カ所(第1、第2)に配置し、水中ポンプを各2台設置する。用水路は延長約16kmとし、開水路とパイプラインでベンチフリュームまたは塩ビ管を敷設する。排水路は延長約15km(排水フリューム)、将来的な転作などを視野に入れた暗渠排水施設は110haを対象に整備する。

 事業期間は25~33年度の9年間。事務経費などを含む全体事業費は43億円とし、内訳は区画整理工が32億6000万円、暗渠排水工が3億3500万円、測量試験費が2億9400万円、用地買収補償費が9000万円など。農地整備に向けた基本計画は仙台土木設計(仙台市青葉区)がまとめた。

 事業計画書の縦覧を20日まで行い、関係する法手続きが7月上旬にも完了する見通し。その後、埋蔵文化材の調査に入る。そのため、ほ場整備の実施設計となる区画測量設計や地質調査の業務着手は26年度以降となりそうだ。工事は地元営農者らと調整しながら順次進めていく。

 関場・沼田地区は、村田町西南部に位置し、一級河川荒川の右岸に広がる水田地帯。地区内は10aに整備されているものの、農道は幅員2.5m程度と狭く大型機械の導入が難しいため効率的な営農が妨げられている。水路に至っては用排兼用の土水路で、水管理や維持管理に大きな労力がかかっていることから、地区農家らの要望も受け、農業競争力強化農地整備事業を推進する。

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