日光川治橋梁で試錐 事業概要 高規格道路は接続検討(県交通政策課)

[2025/6/24 栃木版]

 県交通政策課の本年度の事業概要によると、奥日光地域への新モビリティの導入検討では基礎調査に向け、このほど委託公募型プロポーザルの手続きを開始した。直轄権限代行事業導入調査費では、日光川治防災に接続する取付1号橋の下部工のボーリング調査を予定し、広域道路網調査費は(仮称)つくば・八溝縦貫・白河道路と交差する国県道との接続位置の検討を行う。道路調査費の実施計画調査費では、競輪場通りの4車線化の設計などを推進。また本年度の特徴として、5年に一度の交通センサスに伴う県内各地の交通量調査を夏までに発注する。

県内各地で秋頃に交通量調査

 同課は「とちぎの道路・交通ビジョン2021」に基づき、交通網の整備に取り組んでいる。このうち公共交通政策では、持続可能な公共交通サービスの確保・充実を図るほか、奥日光地域へのアクセス強化に向けた新モビリティの導入検討では、奥日光地域の現状と課題の抽出を行い、持続可能な地域のあり方や人や物の流れを円滑化する新たなモビリティについて検討を行う。

 本年度は課題の整理や地域の移動に関した基礎調査を実施するため、23日にプロポーザルを開始した。人流や物流などの調査業務やデータ分析に基づく計画策定業務の受注実績を有する者を対象とし、来年3月24日までの期限で調査結果をまとめる。委託料限度額は1900万円とする。

 また、LRT等の新たな交通システム導入に向けた市町の取り組み支援ではJR宇都宮駅西側延伸に伴い、東武宇都宮駅周辺のまちづくりや広域的な交通連携の具体的実施に向けた検討を行うために広域公共交通協議会設置した。引き続き、東武宇都宮駅周辺の交通結節点の機能強化や東武宇都宮線へのLRT乗り入れなどについての具体的実施に向け検討を行う。

 道路政策では、広域道路ネットワークの充実・強化としてスマートICの整備促進等による高速道路の機能強化や、地域高規格道路をはじめ広域道路の充実・強化を図ほか、主要渋滞箇所や観光地の渋滞対策を推進し快適で魅力的な道路環境の創出を図る。当初予算では、道路調査費に3億4634万円と、総合交通政策事業費に4875万円を計上している。

 道路調査費の内訳は、道路計画基礎調査費が1634万円と実施計画調査費等が3億3000万円。道路計画基礎調査費は、日光の渋滞対策でリアルタイムの渋滞情報を提供する専用ホームページの開設などソフト事業に引き続き取り組み、実施計画調査費は実質的に道路整備課と都市整備課に振り分けて、県内各地の将来的に事業化が見込まれる箇所の測量や設計に充当する。

 代表箇所は、都市整備課所管の都市計画道路3・2・102号桜通り平出線(競輪場通り)の4車線化で、昨年度から着手した測量や道路・電線共同溝・橋梁の予備設計を踏まえ、引き続き本年度もこれらの進捗状況を踏まえて残る予備設計や一部詳細設計などを実施する。

 競輪場通りは、主要地方道宇都宮那須烏山線と主要地方道藤原宇都宮線が交差する大曽2丁目交差点から今泉新町交差点までの延長約2kmについて、4車線化に向けた調査を進めている。計画によると、幅員は現在の13.8mから、30.0mへと拡幅し、JR宇都宮線の跨線橋部は側道も含め36.0mで都市計画決定されている。

 このほかにも、県単独の調査費として、年度途中に示された市町村をはじめ地元の要望に対応できるよう手当てする。

 総合交通政策事業費は、直轄権限代行事業導入調査費と広域道路網調査費に分かれ、直轄権限代行導入調査では日光市川治地区(国道121号)の直轄権限代行事業導入に向けた調査で、本年度は県事業となる取付1号橋の下部工全体のボーリング調査を実施する。

 日光川治防災は、日光市五十里から川治温泉川治まで延長約3.4kmの防災対策事業で、19年度から国直轄の権限代行事業で進めている。川治側ではこれまで、道路設計や橋梁設計、国でトンネル設計などを実施した結果、事業に必要な用地幅などを確定し、県事業の日光川治防災に接続する取付1号橋でも取付道路の設計を進めてきた。一方の五十里側では、道路設計や橋梁設計、トンネル設計などの結果、事業に必要な用地幅などを確定している。

 広域道路網調査費は、八溝地域の幹線道路網計画の策定や道路による地域形成等に関する調査に充当する。(仮称)つくば・八溝縦貫・白河道路は、昨年度の予算で概略ルート帯の検討を進めてきており、県内全域で概略ルート帯が概ね出来上がってくる予定。引き続き本年度は、東西を横断する主要な国・県道との、効果が高い接続箇所の検討を予定している。

 このほか、本年度は国庫補助道路交通情勢調査に1億3268万円を確保した。5年に一度実施している全国一斉の交通センサスを本年度に実施することから、各土木事務所に配分して県内各地の約900カ所で交通量調査を実施する。秋の交通量調査に向けて、夏までに調査業務を発注する予定となっている。

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