匝瑳IC周辺の産業用地整備へ 協議会が民間開発事業者を募集(千葉県匝瑳市)
[2025/6/25 千葉版]
匝瑳市の銚子連絡道路・匝瑳インターチェンジ(IC)周辺で、産業用地の整備に向けた検討を加速する。対象となるのはICに直結する15.2ha。25日に事業化検討パートナー(民間開発事業者)を選定する公募型プロポーザルの手続きを公告する。千代田コンサルタント(千葉営業所・千葉市中央区)が支援している。
匝瑳市では、市都市計画マスタープランで、匝瑳IC周辺を産業系土地利用検討地として位置付け、農林水産業などの地域産業と連携した産業用地の整備を検討している。
本年1月には、地権者など85人で組織する「匝瑳I.C.周辺まちづくり協議会」が発足。市と連携しながら、事業の実現に向けた検討を進めている。
協議会では、より具体的な検討を進めていくため、事業に参画する豊富な経験やノウハウを持つ事業化検討パートナー(民間開発事業者)を公募型プロポーザル方式で選定する。主な業務として、事業計画や事業手法の検討、造成後の土地利用、地権者の合意形成支援、企業誘致などを想定している。
7月24日まで参加表明書、7月30日から9月17日まで企画提案書をそれぞれ受け付ける。10月7日のプレゼンテーション審査を経て、10月中旬に審査結果を公表する。
産業用地整備基本計画案では、事業化想定区域として匝瑳IC周辺地区の約15.2haを選定。農林水産業や観光業など地域と連携した“食”に関連する産業のほか、成田空港への近接性を活かした産業などの集積を目指している。
土地利用計画では企業用地9.7ha、集客施設2.4haのほか、調整池や公園を配置。区画分割は3haを標準とし、企業用地は盛土で造成する。
農村産業法を活用する場合の開発手法は開発行為を想定。事業化検討パートナーや権利関係者の意向、事業採算などを踏まえ、産業用地の整備手法を検討していく。
年度内に事業化検討パートナーと覚書を締結し、26年度に農業振興地域除外や都市計画変更などの手続きを進め、27年度の造成着手を目指す。
産業用地の整備は、市長が重点的に取り組むとした「7つの重点施策」の1つに掲げているほか、都市の将来像や都市づくりの方向性を定めた「匝瑳市都市計画マスタープラン」で位置付けられている。
銚子連絡道路などインフラの整備効果を地域活性化につなげるため、銚子連絡道路二期区間の終点部である匝瑳IC周辺で産業用地を整備し、企業立地を進めていく方針だ。