前川で堤防改修 主要事業 荒井行方線の改良推進(県潮来土木)
[2025/7/3 茨城版]
県潮来土木事務所(太田力所長)は、2025年度の主要事業をまとめた。主なものでは、道路関係で荒井行方線の道路改良舗装工事や茨城鹿島線の用地買収、深芝浜波崎線の用地補償などを推進。河川関係では前川の堤防改修工事、堆積土砂撤去工事などを予定する。鹿嶋・波崎海岸の海岸浸食対策事業や武井地区の急傾斜地崩壊対策などにも取り組む。
道路整備のうち、荒井行方線では道路改良舗装工事を実施する。交通の円滑化や緊急輸送道路ネットワーク機能の向上を図るため、狭あい箇所である国道51号との交差点付近で現道拡幅を進めている。全体計画は延長1400m(幅員10/6m、片側歩道2.5m)で、このうち1060mは既に供用済み。総事業費は約35億円と試算している。
茨城鹿島線では道路ネットワーク強化のため、用地買収を行う。都市計画道路宮中佐田線の街路事業として整備を進めてきた宮中工区・佐田工区は22年度に4車線で開通しており、現在は鹿嶋市須賀地内で拡幅事業を推進中。須賀工区の全体延長は480m(幅員16/6m、両側歩道3.5m)で、うち320mは供用済み。総事業費は約8.6億円。
深芝浜波崎線では現道拡幅に係る用地補償を計画。24年度までに約2760m区間の整備を完了し、現在は植松交差点から波崎高校入口交差点までの区間の整備を行っている。全体延長は800m(幅員14/6.5m、両側歩道3m)。総事業費は約5億円を見込んでいる。
河川事業のうち、前川では約30mの堤防改修工事(左岸)、約100mの河川管理用通路整備工事(右岸)、約2000立方m堆積土砂撤去工事(稲井川合流部)に取り組む。潮来市と共同で策定した前川かわまちづくり計画に基づくもので、環境に配慮した流下能力不足区間の河道拡幅を進めている。全体延長は3120mで、総事業費は約25億円。
鹿嶋・波崎海岸では約6000立方mの粗粒材養浜工事を実施する。砂浜の浸食と堆積区域偏在を解消するため、ヘッドランド(人工岬)と養浜を組み合わせた浸食対策事業を行っている。全体計画はヘッドランド11基、養浜工一式。総事業費は約125億円を計画している。
武井地区では急傾斜地崩壊対策として法面工事を予定。茨城鹿島線と鹿嶋市道1143号線に囲まれた13戸の保全対象家屋の区域が対象で、15年度に事業を開始した。全体延長は329m(がけ高約20m)。総事業費は約9億円。
潮来土木事務所は鹿嶋市、潮来市、神栖市の3市を管轄。国道124号や県道竜ケ崎潮来線など計26路線約280km、前川など3河川約7km、大小志崎海岸など19海岸約30km、港公園などの維持・管理を行っている。