事業費に約27億円 藤井地区土地改良 約60haで区画整理(県県央農林)
[2025/7/4 茨城版]
県県央農林事務所は、水戸市の藤井町や飯富町などを対象に県営藤井地区土地改良事業(区画整理)を計画。対象は水田・畑などの60.9ha。概算事業費は26億9200万円。事業期間は25-34年度の10年間としている。
主要工事では、整地工50.3ha(水田10.3ha、畑40ha)を実施。水田部標準区画面積は50アール(100m×50m)、畑地部標準区画面積は30アール(75m×40m)とし、耕区内の均平整地を行う。
用水路工では、延長1万3830mのパイプライン(塩ビ管φ200mm~100mm)と、揚水機の片吸込渦巻ポンプ(φ100mm×2.2キロワット)1カ所、片吸込渦巻ポンプ(φ150mm×15キロワット)1カ所、インバーターポンプ(φ65mm×5.5キロワット×2台)2カ所を整備する。
排水路工では、幹線排水路が延長1380mの排水フリューム(400mm×600mm~800mm×600mm、600mm×900mm)。支線排水路では延長1350mの排水フリューム(400mm×400mm~400mm×600mm)や、延長540mの長尺U字溝(KUS350mm×350mm~400mm×400mm)を行う。
道路工では、支線道路で幅員4~5mのアスファルト舗装工を延長5710m、幅員4~5mの敷砂利工を延長4490m、幅員5~6mの敷砂利工を延長1440m。暗渠排水工は10.3haを見込む。
この地区は、水戸市の北西部に位置し、関東ローム層で覆われた洪積台地上に広がる畑地帯と藤井川沿いに開けた水田および畑地で構成されている。地形はほぼ平坦だが、農地と平地林が複雑かつ不整形に混在する。
農地の大部分は、区画の形状が未整形。道路も部分的には舗装されているが、大部分が狭あいで農作業機械の進入や農業生産物の搬出に支障をきたしている。用排水路も完備されていないため、排水不良を起こし、適切な時期にかん水ができないなど、計画的・安定的な営農が困難な状況となっている。
このため、畑地帯総合整備事業により区画整理を行い、区画形状の改善・支線道路などの整備を行うとともに、道路や用排水施設の整備を総合的に実施することによって、営農体系の確立、耕作機械の大型化による農作業の省力化や速やかな輸送体系を整える。
用水は、一級河川西田川からポンプにより取水し、雨水や地区内の湧水などを水源とする。地区内の用水路は水田部のみがパイプライン化されているが、畑地は雨水のみに頼ったものとなっており、安定した営農に支障をきたしている。
排水は、水田地帯のみ土水路を中心とした排水系統にて一級河川藤井川に排水されている。畑地部は排水系統が未整備であり、排水に支障をきたしているほか、用排水とも十分な施設が整備されているとは言えない状況であり、効率的な営農の支障となっている。