基幹改良に変更 環境センター 延命化へ9月補正で調査費(笠間市)
[2025/7/9 茨城版]
笠間市は建て替えを検討していた環境センターの今後について、基幹的設備改良工事による延命化を図るよう方針を変更した。建設コストの上昇により整備手法を見直した結果、市の財政負担が最も少ないと判断したため。早ければ9月議会に上程する補正予算で施設の健全度調査診断に係る委託料を確保する。工事スケジュールは未定とするものの、2-3年程度を要する見込み。
再検討にあたっては[1]建て替え(バイオガス発電施設を併設)[2]建て替え(バイオガス発電施設を併設しない)[3]基幹的設備改良工事による延命化[4]民間事業者への処理委託──の4案を比較。バイオガス発電施設を併設する場合の施設規模は焼却施設が52トン/日、発電施設が32トン/日を想定。併設しない場合は焼却施設67トン/日。マテリアルリサイクル施設は両案ともに14トン/5時間で検討している。
建設にかかる実負担額は延命化が27億9000万円、バイオなしが71億2000万円、バイオありが73億8000万円と試算。新設と延命化では43-46億円の差が生じる。民間委託の場合でも費用補助として8億3000万円を要する。
20年間の運営事業費はバイオなしが124億8000万円、バイオありが143億4000万円、延命化が146億8000万円。リサイクル施設の運営費と処理委託料を合算した民間委託の場合は200億7000万円と算出。トータルコストを総合的に評価した結果、最も安価な延命化が優位と判断した。
環境センターは友部地区と岩間地区、水戸市の内原地区を対象としたごみ処理場として、1992年に稼働開始。焼却施設は105トン/16時間(准連続燃焼式焼却炉方式)で、粗大ごみ処理施設は35トン/5時間(乾式回転式破砕機)。
20年に内原地区が脱退したが、22年度に笠間地区が加入し、現在は笠間市全域を対象とする。施設や設備の老朽化が進み、現施設の東側にあるグラウンドに建て替えを行う計画を示していた。
また、市は隣接する地域還元施設ゆかいふれあいセンターの廃止を検討していたが、26-30年度の5年間については現行通り運営を継続することを決定。30年度以降の運営方針は本年度に改定する公共施設等総合管理計画の内容を踏まえて、今後協議・検討を行う。