設計プロポを開始 米流通拠点 イベントスペース併設(つくばみらい市)
[2025/7/10 茨城版]
つくばみらい市は、米流通拠点整備に向けた基本・実施設計業務に着手する。6月26日には業務の公募型プロポーザルを公告した。提案上限額は1930万円(税抜き)。精米・流通施設の構造はS造2階建て延べ面積2000平方m程度を想定。イベントスペースを併設し、市民交流による賑わいを創出する。年度内に設計をまとめ、26年度に建設工事を実施する。
建設地は福岡字古木山2246-6ほかで、都市軸道路の西側に位置する。敷地面積は5241平方m。用途地域は市街化調整区域で、建ぺい率60%、容積率200%。インフラは上水道と電気が整備済み。
施設では米の集荷、保管、精米、配送などを行う。1階には精米機械室と備蓄庫、トラックバース、事務室、直売所、イベントスペース、2階には会議室などを整備する。このうち、精米機械室には精米機2台、無洗米加工機、生産ライン2レーンを配置。無洗米加工機は金芽米の加工にも対応できるものとする。生産能力は年間2400トン程度を予定。
主な工事の内容は付属設備・機械関連で電気や電源設備、通信・情報設備、給排水衛生設備、空調設備などを計画。消防設備、冷凍・冷蔵室設備、加工等機材設備、デジタル技術設備の整備にも取り組む。
外構関連では整地・地盤改良・盛土造成・擁壁、敷地内舗装、給水設備、雨水処理対策、排水設備処理、囲障、駐車場整備などが対象。また、屋根付きゴミ置き場や消防水利設置、目隠しフェンス、施設内通路の整備などを実施する。
外装は周辺の自然環境と調和したデザインで施工し、十分な断熱対策を講じる。設備はメンテナンス面、ランニングコスト、省エネルギー、環境負荷低減に配慮ユニバーサルデザインの考えに基づき、多機能トイレを整備する。
工事費は26年度当初予算に計上し、単年度で完了。27年4月の供用開始を目指す。
なお、運営については民間企業の参画を検討。事業スキームは土地と建物を事業者に貸し付け、市は賃借料を徴収する。運営業者は26年度にプロポーザルで選定する見通し。
米流通拠点の整備は持続可能な農業の実現を図るため、ふるさと納税の返礼品需要の対応や販路拡大による農家の所得向上を目指すもの。高栄養価で低カロリーの金芽米に加工し、学校給食などを通して市民の健康づくりに寄与するとしている。また、施設内にイベントスペースと直売所を設置することで、市民の交流を生み出し賑わいの創出を図る。
業務の参加資格は茨城県内に事業所を有し、一級建築士事務所の登録。また、施設建設工事に伴う施工監理業務、国庫補助金・交付金を活用した施設の設計業務のほか、直近5年間に市発注業務の受託実績を求めている。
参加申込書は22日まで受け付け、結果は書面で通知。プレゼンテーション審査は8月8日を予定している。
プロポーザルに対する問い合わせは、市民経済部産業経済課農業振興係(谷和原庁舎1階、電話0297-58-2111)まで。