アルファ水工で計画 気仙沼漁港に荷さばき施設(宮城県 気仙沼市)

[2025/7/12 宮城版]
 気仙沼市は、気仙沼漁港に上屋施設(荷さばき施設)を新設するため、計画策定業務をアルファ水工コンサルタンツ(仙台事務所・多賀城市)に委託している。履行期間は2026年3月31日まで。上屋施設は、県が整備するマイナス7.5m岸壁(大水深岸壁)の背後に建設するため、同岸壁が出来上がった後に着工する見込み。

 上屋施設は県との共同事業で国の補助金を活用して整備する。計画策定業務でどういった施設にするかや、延長、幅、配置などを検討する。建設事業費も試算する。業務委託に当たっては同社と見積もり合わせし、税込み1870万円で契約した。

 今回の業務は計画策定となっているが、実際には既存の「特定漁港漁場整備事業計画」を変更し、上屋施設の分を追加する。最終的には県に同計画を修正してもらい、国に提出する。

 大水深岸壁は延長が334m、水深が7.5m。県が気仙沼市潮見町他で、気仙沼市魚市場の南端から、既存の商港岸壁の北端までにかけて整備する計画。魚市場にはすでに閉鎖型の荷さばき施設があるものの、新たな岸壁ができることで大型漁船が入港するようになるため、それらの大型漁船の水揚げに対応できる荷さばき施設を市が設ける。

地盤改良工2弾を8~9月公告

 県は大水深岸壁の整備に向け、本年度は第2弾目の地盤改良工事を一般競争入札で発注する。件名は「気仙沼漁港マイナス7.5m岸壁外工事(その2)」で、概算工事規模が7億円。工期は約6カ月。漁港整備推進室が8~9月に入札公告する予定だ。

 大水深岸壁は二重矢板式や控え矢板式で、海面を埋め立てて整備し、既存岸壁に擦り付ける。埋め立ての面積は6410平方m、土量は約4万8000立方m。

 全体完成は2027年度としいるが、30年度まで延びる見通し。概算事業費は計画段階で42億円だが、確実に増額となる見込み。

 工事は地盤改良から行う。初弾の地盤改良工事は小野良組(気仙沼市)に発注した。施工延長は23.1mで、地盤改良工として209本の貫入を行うほか、既設護岸の撤去工や仮設工を施工する。現在は準備中で、これから本格着工する。

 地盤改良は本年度に発注する第2弾で全て終える見込み。

 大水深岸壁の整備に向けては、詳細設計業務をアルファ水工コンサルタンツ、測量業務をダイワ技術サービス(仙台市宮城野区)、地質調査業務をテクノ長谷(仙台市青葉区)に委託した。

 整備目的は、漁船の大型化への対応で、主にサバやイワシの大型巻網漁船が気仙沼漁港にも入港して水揚げできるようにすること。同漁港の既存岸壁はマイナス6mとなっている。

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