県営20地区に25.7億円 事業概要 上稲葉など3地区に着手(県下都賀農振)

[2025/8/5 栃木版]

 県下都賀農業振興事務所は、2025年度の農業農村整備事業事業をまとめた。県営の20地区に25億5732万円、団体営に8億5072万円と、24年度繰越分の6億8096万円などを合わせて総事業費は約41億円となる。本年度は、農地整備の下稲葉地区で水路工事を実施するほか、大谷東部地区で圃整工事などを予定。また新たに塚崎・田間地区、上古山地区、上稲葉地区の3地区で事業に着手し、設計を策定する。

 本年度の農地整備事業概要は、下稲葉地区で水路工事0.6km(用水・排水)を第2工区と第3工区に分けて公告済み。薬師寺・柴地区は、業務で施設台帳や換地、確定測量を、工事で区画整理0.2haと暗渠排水14.1haを予定する。

 大谷東部地区は、第1工区、第2工区と第4工区の圃整工事と、第3工区の排水路工事を公告中で、全て20日に開札する。中谷地区は、区画整理18haを予定し、圃場整備工事を3件とさく井工事 1件に分けて9月に公告する予定。粟宮地区は、圃整工事を第1工区と第2工区に分けて公告中で、20日に開札する予定となっている。

 本年度から農地整備事業に着手するのは、塚崎・田間地区、上古山地区、上稲葉地区の3地区。塚崎・田間地区は設計を宇都宮測量に、換地と地区界確定業務を栃木県土地改良事業団体連合会に委託し、上古山地区では測量設計を八汐コンサルタントに委託した。

 上稲葉地区は、本年度から31年度にかけて97.8haの整地工や12kmの農道、用排水路16.3kmの整備を予定している。本年度は設計業務を国土測量設計に委託し、換地と地区界確定業務は栃木県土地改良事業団体連合会 と随契を結んでいる。

 水利施設等保全高度化事業は、部屋南部地区で国の補助も含めて総事業費31億1390万円を投じ、17年度から石川排水機場の整備を進めている。本年度は、機場の建屋や水管理設備を予定している。亀の子堰地区は、桶管設置と取付水路などの工事を公告中で、19日に開札する。

 生井地区は、延長200mの水路工事を8月中に公告するほか、実施設計や用地測量、用地買収などを実施する。穂積地区は、測量設計を八汐コンサルタント、土質調査をパスキン工業に委託した。このほか小倉堰、伯仲堰、桑原用水、美田東部頭首工ではそれぞれ機能診断を実施する。

 調査計画事業は、小野口地区で経済効果算定などを実施し、安塚・上長田地区は計画調査費として700万円を計上した。幕田堰では、安定的な用水確保と施設管理の省力化・安全性の向上を図るために安塚第2堰と統廃合する計画で、本年度は基礎調査を第一測工、土質調査をパスキン工業に委託している。

 また同事務所は、大雨時に河川や水路の水位の急上昇を抑え、下流域の湛水被害リスクを低減させることを目的に、水田の落水口に流出量を抑制するための排水調整板を設置する田んぼダムにも積極的に取り組んでいる。管内の思川流域を中心に3479haの地域で田んぼダムに取り組み、雨水流出抑制対策を実施している。

 本年度の県営の実施地区は次の通り。(▽地区名・関係市町=[1]工期[2]総事業費[3]25年度実施内容[4]25年度事業費、単位・万円。▼は新規)
【農地整備】
▽下稲葉・181・3ha(壬生町)=[1]17~27年度[2]48億1100[3]用排水0.6km[4]2億4550(24年度繰越5900)
▽薬師寺・柴・66.2ha(下野市)=[1]18~26年度[2]20億1000[3]暗渠14ha[4]1億5000
▽大谷東部・83.7ha(小山市)=[1]20~27年度[2]21億8400[3]区画16ha[4]4億4200(24年度繰越1100)
▽中谷・71.4ha(野木町)=[1]225~28年度[2]19億6260[3]区画18ha[4]4億7100(24年度繰越6000)
▽粟宮・20.2ha(小山市)=[1]23~28年度[2]6億4500[3]区画10.1ha[4]2億6000(24年度繰越945)
▼塚崎・田間・33ha(小山市)=[1]25~31年度[2]12億6100[3]測試、換地[4]3320
▼上古山33.5ha(下野市)=[1]25~31年度[2]11億6500[3]測試、換地[4]3500
▼上稲葉97.8ha(壬生町)=[1]25~31年度[2]28億1800[3]測試、換地[4]3500
【水利施設等保全高度化】
▽部屋南部《石川排水機場》(栃木市)=[1]17~27年度[2]31億2390[3]排水機場[4]4億3000(24年度繰越2億9726)
▽亀の子堰(栃木市・小山市)=[1]23~26年度[2]5億1800[3]取水桶管[4]5026(24年度繰越1億1000)
▽生井(小山市・野木町)=[1]24~29年度[2]15億7400[3]測試(実施設計)[4]2億4500(24年度繰越2454)
▼穂積(小山市)=[1]25~28年度[2]6億7800[3]測量、設計[4]5336
▼小倉堰(栃木市)=[1]25年度[2]1100[3]測量、設計[4]1100
▼伯仲堰(栃木市)=[1]25年度[2]220[3]機能診断[4]220
▼桑原用水(栃木市)=[1]25年度[2]800[3]機能診断[4]800
▼美田東部頭首工(栃木市)=[1]25年度[2]1000[3]機能診断[4]1000
【調査計画】
▽小野口(栃木市)=[1]22~26年度[4]1800
▽安塚・上長田(壬生町)=[1]23~26年度[4]700
▽幕田堰(下野市)=[1]24~27年度[4]1600
▽二国堰(小山市)=[1]24~25年度[4]80

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