来夏に利活用方針 瓜連支所 機能廃止後のあり方模索(那珂市)
[2025/8/23 茨城版]
那珂市は、瓜連支所の敷地や建物の将来のあり方について、「市瓜連支所利活用検討委員会」による協議と検討を進めている。19日には2回目の検討委員会が開かれ、9月からは市民参加による利活用ワークショップも開催する。検討委員会では26年8月をめどに利活用方針案をまとめる計画で、30年4月を予定する支所庁舎としての用途廃止に合わせ、今後の活用法などを模索していく考えだ。
瓜連支所は、旧瓜連庁舎として1986年に完成した。施設規模はRC造2階建て延べ2121平方m。隣接する分庁舎は1995年の完成で、RC造2階建て延べ687平方mとなっている。
05年1月の合併で支所となり、当初は支所庁舎内に庶務課や市民窓口課、環境福祉課などを配置。分庁舎には上下水道部や教育委員会などが設置された。その後は再編を重ね、現在では支所庁舎1階に簡易行政窓口と上下水道部、2階に教育委員会が配置。空きスペースは社会福祉協議会などの各種団体が活用している。
支所庁舎のあり方についてはこれまで、行政組織機構検討委員会などで行政組織機構の見直しを検討する際に議題とされてきた。途中、教育委員会の中央公民館への移転や、上下水道部と教育委員会の本庁舎への集約なども検討されたが、本庁舎が手狭なことなどから具体的な検討が進まず、現在に至っているという。
こうした状況を受け、24年3月には組織配置の再編に向けた基本方針を策定した。基本方針では、第四中学校区に整備した「ふれあいセンターすがや」に合わせ、中央公民館とコミュニティセンターの類似用途を整理。中央公民館建屋の空いたスペースに上下水道部と教育委員会を移設し、市民の利便性向上、経費削減及び業務の効率化を図るとされた。残る機能が支所窓口のみとなるため、その機能を隣接する総合センターらぽーるに移すことで、瓜連支所庁舎と分庁舎については、庁舎としての施設の用途を廃止することとしている。
再編に当たっては、中央公民館の建屋を改修し、市役所分庁舎としての用途を追加する。建屋の改修は、長寿命化改修工事に向けて26年度に基本設計、27年度に実施設計をまとめ、28-29年度で実施する工事に合わせて行政事務室の整備を行う。支所機能は30年4月に廃止となることから、地域の活性化つながるよう活用を検討していく考えだ。
19日に開かれた2回目の検討会では、市による基本的な考え方が示された。それによると、「地域のにぎわい創出と市の財政負担軽減を両立する持続可能な利活用方針案」を目指すとしたうえで、地域との協議・意見交換を重ねながら具体的な方法を検討していくとした。
現状では、歴史民俗資料館の移転など含めた公共施設としての利用から、民間による活用まで幅広い用途をイメージしている。民間による活用では、既に事業者への調査などを進めているという。瓜連地域にとってはシンボル的な要素もあるため、利活用方針案策定後には、実現に向けた具体策の協議を行うとしている。