293号西砂原後町で着工 事業概要 中橋のEVは設計へ(安足土木)
[2025/8/23 栃木版]
県安足土木事務所の事業概要によると、本年度は補助・交付金事業が59カ所に49億4080万円、県単事業が76カ所に19億8230万円の、合計135カ所に69億2310万円を計画する。主な事業は、街路事業の家富町堀込線で渡河部やこ線部の下部工を実施するほか、エレベーターの設置に向け年度内にも設計を発注したい考え。一級河川秋山川の改良復旧は、来春の完了を目指して工事を推進し、これに伴う大橋の架け替えは上部工を架設して来春にも供用し、引き続き仮設橋を撤去する。このほか、国道293号西砂原後町工区は工事に着手し、主要地方道佐野田沼線堀込町工区の歩道整備では本年度から事業化する。 =主要事業箇所は2面に掲載
主な事業を見ると、都市計画道路富町堀込線の中橋工区は、渡良瀬川の堤防嵩上げとあわせた中橋の架け替えやJR両毛線交差部の立体交差化を実施しており、既存の3連アーチを活用した歩行者・自転車専用橋は5月に供用を開始している。
本年度は、桐生岩舟線から中橋までのこ線部の下部工2件と上部工を発注し、渡河部(中橋)の下部工もこのほど3件を発注。本年度はこれらの工事を実施し、来年度以降は渡河部のみお筋に位置するP2橋脚や上部工、前後のアプローチ部の擁壁工事などの発注を計画する。なお、エレベーターについては新橋の北側に設置する方針で、現在はどの程度の規模でどこに設置するかを県と足利市で調整中。同事務所では調整をまとめ、本年度内に設計まで進めたいとしている。
国道293号の西砂原後町工区は、総延長1.4km(700m×2)の電線共同溝整備で、本年度から工事に着手する。両側歩道は既に整備済みで、今回は現況の道路幅員の中で、歩道4.5mと路肩0.5mを歩道3.5mと自転車通行帯1.5mに再配分し、植栽帯を撤去して電線共同溝を整備する。
このほか、県道竜舞足利線の山下町工区は、足利市が計画する(仮称)足利スマートICのアクセス道路として整備する。全体計画は延長1100m、幅員14.5mで、全体事業費は約18億円を見込む。昨年度に用地測量が完了し、本年度は用地補償を進めている。
都市計画道路赤見門馬線外1路線の高萩町工区は、南進車線が土日・休日を中心に渋滞することから南進車線を増やして3車線化し、交差点改良や歩行者・自転車の通行帯分離を実施する。まずは道路排水管を車道に埋設する工事を実施しており、あわせて用地取得も進めていく。下流にあたる主要地方道佐野古河線の高萩町工区では調整池を整備しており、本年度も護岸工事を2件発注する予定となっている。
主要地方道桐生田沼線の閑馬町工区は、春高橋の架け替えを含めた道路拡幅を実施しており、本年度は舗装工事や仮橋撤去工事の発注を予定。都市計画道路前橋水戸線の高砂町I工区は、佐野市役所前約300mの電線地中化事業で、共同溝工事は概成しており、各事業者の電線移設が完了したあと電柱を撤去して歩道を美装化する。
都市計画道路毛野西新井線は、足利市と国道50号を結び、山辺小学校と山辺中学校の通学路にもなっているが、歩道が無いため延長920mの歩道整備を実施している。本年度は引き続き工事を実施するとともに、一部残る用地の取得も進めている。
新規事業は、主要地方道佐野田沼線の堀込町工区で県道唐沢山公園線との堀込町交差点から北側に延長530mを拡幅し、歩道と付加車線を整備する。この区間は城北小学校や佐野清澄高校の通学路となっているが、歩道が狭いことから幅員を21mに拡幅して歩道や自転車通行帯を整備するほか、堀込町交差点の渋滞対策で付加車線を整備する。本年度は、用地測量を実施する。
県単事業は、主要地方道桐生岩舟線の鹿島町西で、本年度は延長1300mの道路詳細設計を策定する。この工区は事業中の五十部東工区の西側に位置し、五十部東工区の完了後に続いて国庫補助事業による整備を計画する。国道293号の駒場交差点は、渋滞対策で付加車線を延長する。植栽帯を撤去して現在の幅員の中で構成を見直す計画で、このほど晃洋設計測量(足利市)に測量設計業務を委託した。
河川事業は、一級河川秋山川の河川激甚対策特別緊急事業で、菊沢川放水路合流点から下流側3000m区間の改良復旧を進めている。大橋付近など護岸工事ができない一部箇所でも河道断面は確保するなど、工事を推進して来春の概成を目指していく。
なお、関連する都計道水戸前橋線(主要地方道桐生岩舟線)大橋の架け替えは、現橋の下流側に仮設橋を設置して交通を切り回し、新橋の下部工を実施した。近く上部工の架設工事にも着手して、来春の供用開始を予定。その後、仮設橋を撤去して河積を確保する。
一級河川旗川は、直轄境からJR両毛線までの区間を防災安全交付金事業で、両毛線から稲岡橋までの区間を大規模特定河川事業で改修している。本年度は防災安全交付金で用地補償、大規模特定河川で河道掘削や用地補償を実施する。一級河川名草川は、一級河川袋川合流部から中通橋までの延長2100mで河川改修を実施しており、本年度も引き続き用地を取得しながら護岸工事を実施する。
梅ヶ丘2の砂防事業は、人家53戸と市道580mを保全対象に延長約410mの崩壊土砂防護柵を整備しており、本年度も引き続き工事を実施する。西宮二号沢は砂防堰堤を整備しており、本年度は副堤や付替林道工事を実施する。