新晩翠橋以北の4車線化を 国道4号機能強化へ6項目要望(県北部期成同盟会)

[2025/8/26 栃木版]

 国道4号県北部地域整備促進期成同盟会(会長・渡辺美知太郎那須塩原市長)は22日、国土交通省宇都宮国道事務所を訪れて、同事務所の笹木和彦所長に国道4号県北部地域の整備促進に関する要望書を手渡した。西那須野道路の早期完成や矢板拡幅の整備推進、矢板大田原バイパスの早期工事着手のほか、新晩翠橋以北の4車線化や西富山から大塚新田交差点までの4車線化など、計6項目を要望して国道4号の機能強化を改めて求めた。

 要望書によると、国道4号は県北部地域の住民の日常生活と産業・経済活動の基盤となる社会資本であり、防災・減災、国土強靭化の観点からその重要性や機能強化が改めて認識さているほか、「重要物流道路」の指定も受けている。しかしながら、矢板IC以北は大半が2車線のため、交通渋滞が恒常的で交通事故も多く、歩道が狭あいで通学児童が危険にさらされるなど、地域住民の生活に支障をきたしていると指摘した。

 また、恒常的な交通渋滞は非効率な物流環境となって、沿線に位置する製造業にとって経営上の損失をもたらしており、円滑で信頼性の高い道路ネットワークの早期整備が重要かつ有効だとしている。さらには、急務となっている道路インフラの老朽化対策に予算を重点化することによって、県北地域の国道4号など県内の必要な道路整備に遅れが生じることを危惧している。

 そのうえで、同盟会は防災・減災、国土強靭化を推進し、住民が安全・安心に暮らせる環境を確保するとともに、地域産業・経済の活性化を図るため、国道4号の機能強化が必要不可欠で喫緊の課題であるとして▽西那須野道路の早期完成を図ること▽矢板拡幅の整備推進を図ること▽矢板大田原バイパスの早期の工事着手を図ること▽新晩翠橋以北を4車線化するため早期に整備着手すること▽西富山から大塚新田交差点までの区間を4車線化するため早期整備に着手すること▽防災・減災、国土強靭化の強力かつ継続的・安定的な推進を図ること-の6項目を要望した。

 渡辺会長は、事業化されている区間の整備促進を求めるとともに、未着手区間も今後早期の事業化を図るよう求めた。これに対し、笹木所長は「国道4号は東北地方と首都圏を結ぶ重要な基幹的道路であり、県北部地域の整備の重要性も理解している」と応じ、まずは事業化している区間の整備を推進していく考えを示した。

 宇都宮国道事務所によると、西那須野道路は那須塩原市三区町から西富山まで、延長4.6kmのバイパスおよび現道拡幅事業を実施しており、本年度は調査設計や補償のほか、三区町地区の改良工や電線共同溝工、烏ヶ森公園歩道橋工を実施する。

 矢板拡幅は、矢板市片岡の東北道矢板ICから同市針生の矢板大田原バイパス南側まで、延長6.5kmの現道拡幅事業。19年度に都市計画決定され、道路の影響範囲が確定して用地買収に着手した。本年度は調査設計や用地買収をはじめ、前岡地区の改良工の進捗を図る。

 矢板大田原バイパスは、矢板市針生から那須塩原市三区町まで延長7.9kmのバイパスと現道拡幅事業で、区間内にはJR東北本線や箒川、江川を渡河する新橋を架設する。本年度は調査設計や用地買収、環境整備を継続する。

 新晩翠橋以北の4車線化は、これら事業中の箇所の進捗状況や周辺道路の交通状況の変化などを勘案しながら、今後の事業化について検討していく。また、西富山から大塚新田交差点までの区間の4車線化についても、都市計画決定の状況や今後の交通状況の変化を踏まえて、事業化の検討を進めていく考えだ。

 国道4号県北部地域整備促進期成同盟会は、那須塩原市・大田原市・矢板市・さくら市・高根沢町・那須町の各首長や議員で構成し、県北地域の国道4号整備に向けた活動に取り組んでいる。

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