文挾BPII期で設計 事業概要 111カ所に事業費約54億円(県日光土木)

[2025/9/4 栃木版]

 県日光土木事務所の事業概要によると、2025年度は国庫・交付金と県単・受託事業を含め、111カ所で約54億3300万円を執行する。内訳は、道路事業が73カ所約44億6800万円、河川・砂防事業が35カ所約8億4600万円、都市事業が2カ所約5600万円、受託事業が1カ所約6300万円となっている。主な事業は、日光川治防災でボーリング調査を実施し、文挾バイパスはI期工区の切土・盛土工事のほかII期工区の予備設計を計画する。国道119号上鉢石町・中鉢石町工区と上鉢石町Aでは用地測量や取得を進め、川俣温泉川治線の若間工区ではトンネル坑口の橋梁下部工を実施する。新規は、主要地方道川俣温泉川治線の日陰工区や都計道赤間々今中線清原工区などで、測量や設計に着手する。=2面に事業実施予定箇所

日光川治防災はボーリング調査を

 本年度の主要事業を見ると、国道121号日光川治防災は直轄で本年度から工事に着手し、県も取付1号橋のボーリング調査を、国で実施する詳細設計の結果をもとに橋台の位置にあわせて実施する。

 国道121号文挾バイパスは、板橋バイパスから主要地方道宇都宮今市線までの延長約3500mをI期工区として事業を進めており、本年度は盛土工事と切土工事を発注。また、宇都宮今市線から鹿沼市との市境までの延長3500mはII期工区として計画し、現在は公図公簿調査を実施している。本年度は調査結果を踏まえながら、コントロールポイントを調整してルートを確定し、予備設計まで発注したいと考えている。

 国道121号と宇都宮今市線が交差する文挾町交差点は、文挾バイパスI期工区の開通により宇都宮今市線に交通が流入することから、開通前に斜め取付の交差点を直角に改良するため昨年度に概略設計を策定した。本年度は、用地調査を予定する。

 国道119号の東町地区では、東武日光駅から神橋交差点までの約1.5km区間で、歩道の拡幅と電線地中化を実施している。下鉢石工区は南側で電線の引込連携工事がほぼ完了し、引き続き北側の工事も実施していく予定。最も北西側にあたる上鉢石町・中鉢石町工区では、昨年度から中鉢石町の電線共同溝の設計を実施しており、引き続き本年度は上鉢石町の設計を策定するとともに、中鉢石町の用地取得や上鉢石町の用地調査を進めていく。

 上鉢石町・中鉢石町工区と並行して、急傾斜事業の上鉢石町Aも実施しており、工法を自然斜面補強土工とモルタル吹付工、および地山補強土工に決定して、本年度は用地測量を実施している。

 主要地方道川俣温泉川治線の若間地区は、八重沢橋から西側に約2.5kmのバイパスを整備し、このうち鬼怒川と山が迫り拡幅できない区間はトンネル化する。トンネルは延長約930m、幅員7mの2車線で、現在はトンネル東側抗口手前の沢に架ける橋梁のトンネル側の橋台1基を施工中。残る1基も、進捗状況を見て発注する。

 国道461号大渡工区は、塩谷町と日光市の境を流れる鬼怒川を渡る大渡橋の南側のクランクを解消するため、延長1020mのバイパスを整備する計画で、本年度は用地の取得を進める。

 都計道3・4・20平町東町線外2路線の街路事業は、国道119号から東武下今市駅までの道路の幅員が狭く歩道も無いため、延長555mにわたり拡幅と電線類の地中化を進めている。本年度は電線の引込連携工事が完了した後、歩道のインターロッキング舗装を発注して、26年度の事業完了を目指す。

 なお、この下今市工区の延伸区間として、下今市駅前から東武日光線踏切まで約140m区間を主要地方道今市氏家線の東町I工区とし、電線類の地中化と道路拡幅、歩道の整備を計画する。現在は昨年度の繰越で設計を策定しており、来年度の事業化を目指す。

 一級河川田川は、土沢地内で河道の拡幅改良を進めている。拡幅に伴う市道橋宮本橋の架け替えで下部工を施工中で、進捗状況を見て上部工の発注時期を検討していくほか、護岸工事も下流側から順次進めていく。

 砂防メンテナンス事業は既設堰堤の改築に取り組んでおり、本年度は砥川堰堤、栗原堰堤、七久保沢堰堤の3カ所の工事を継続するほか、野尻沢堰堤、木戸沢堰堤、板穴川堰堤の3カ所に着手した。本年度は詳細設計を策定し、来年度からの工事実施に備える。

 橋梁補修事業は、県道庚申山公園線の鉱盛橋、滝沢橋、宇都野橋、および主要地方道鹿沼足尾線の鍵金橋や県道原向停車場線の原橋、県道栗山今市線の大井橋で詳細設計を策定し、次年度以降の工事実施に備える。

 主な調査箇所は、主要地方道川俣温泉川治線の日陰工区で、現道が狭あいで屈曲し見通しも悪いため、延長2500mにわたり橋梁架替を含めた現道拡幅とバイパス整備を計画している。本年度は、法務省と公図混乱の協議がまとまったあと、事業説明会と路線測量を予定する。

 都市計画道路赤間々今中線の清原工区は、今市氏家線の国道461号との交差点から東側、今市中学校前の延長約1100mの拡幅・歩道整備および電線地中化に向けて、本年度は電線共同溝の予備設計と都市計画決定の変更を実施する。

 国道119号の春日町工区は、国道121号との交差点から東武日光線上今市駅入口までの延長600m区間を拡幅整備する計画。日光市の市道の計画やまちづくりの観点からも、市とともに道路整備とまちづくりを一体的に実施するよう検討している。

 国道461号の轟工区は、轟小学校の西側で歩道が片側しかないことから、延長約1000mの歩道整備の事業化を想定し、本年度は平面図化を予定。主要地方道鹿沼日光線の若杉町工区は、日光中学校の周辺で歩道が無い箇所の改良を次期整備区間に位置付け、道路計画を検討する。

 急傾斜の滝見通り1-Aは、事業化に向けて本年度に公図公簿調査を実施する。砂防事業では、中宮祠の地獄茶屋沢で次期事業化を図るため本年度に公図公簿調査を実施しており、足尾の猿沢でも砂防堰堤を整備するため、同様に公図公簿調査を実施している。

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