銚子市沖の事業者が撤退 協議会で洋上風力の早期再公募を求める(千葉県)
[2025/9/9 千葉版]
銚子市沖の洋上風力発電事業に関する法定協議会(座長・永尾徹足利大学総合研究センター特任教授)が8日、千葉市内で開かれた。国や県、地元市、漁業関係者らは、事業者の撤退に伴う、地元への影響や今後の取り組みなどを話し合った。地域振興策の継続や早期の再公募などを求める意見が多数出された。
事業者を代表して三菱商事の岡藤裕治常務執行役員が、事業性を再評価した結果を報告。4年前の応札時に比べ、建設費用が2倍以上に膨らみ、事業の継続が難しいと判断した。銚子支店を継続し、地域振興に取り組むとともに、次の事業者にバトンを渡せるよう、データ提供などで協力する考えを示した。
経済産業省は審議会を開催し、撤退の要因を検証するとともに、制度の見直しを含めた事業環境を議論していく。これらを踏まえ、地元の理解を得ながら、できるだけ速やかな再公募を目指す方針を示した。
県は、地元と事業者が取り組んできた漁業共生や地域振興の取り組みが地域経済の活性化に欠かせないことから、検討の場として「銚子地域の未来創造会議」を設置することを提案した。
意見交換で、銚子市の越川信一市長は、「地元の期待を裏切るもので、大変遺憾」と語気を強めた。陸上工事などの準備が進んでおり、地元への影響が懸念されると指摘。撤退に伴う損害などを調査するよう訴えた。
高梨みちえ副知事は、洋上風力発電のメンテナンス拠点となる名洗港で施設整備を進めてきたことを説明。このようなことが二度と起こらないよう、しっかり制度設計し、早期に事業者を再公募するよう、国に強く求めた。