延べ2.1-2.4万平方m 新庁舎基本構想案 来年度は基本計画(ひたちなか市)

[2025/9/11 茨城版]
 ひたちなか市は、市役所本庁舎の建設へ基本構想案をまとめ、公表した。建設規模は概ね2万1000平方mから2万4000平方mをめどとし、議事堂と一体化した整備を想定している。基本構想は年度内にまとめ、26年度には基本計画の策定作業に着手する。具体的なスケジュールは確定していないが、現庁舎が築60年を迎える30年度を目標に、新庁舎の建設に取り組むとしている。

 基本構想案では、新本庁舎建設の必要性や基本理念、基本方針といったプロジェクトの骨格を示すとともに、整備方針を整理した。現本庁舎の課題に挙げた▽本庁舎の分散化▽バリアフリー対応の限界▽災害時における業務継続性と老朽化の懸念▽本庁舎の狭隘化──を同時に解決するには、建て替えによる手法が不可欠と判断。基本理念には、「利用しやすく 災害に強い 機能的な庁舎」を掲げ、基本方針として5項目を設定した。

 基本方針のうち、「災害時の拠点となり、市民の安全・安心を守る庁舎」では、高い耐震性能を確保できる構造とするほか、災害時には市民の安全・安心を守る司令塔として機能する庁舎とする。「環境にやさしく、働きやすい庁舎」では、省資源や省エネルギー対策に配慮し、適正な執務空間の確保と高いセキュリティ機能を備えた庁舎を目指すとした。「未来につながる機能的な議事堂を備えた庁舎」では、整備費用や市民の利便性を考慮し、議事堂は本庁舎と一体的に整備するなど、誰もが利用しやすい議事堂を目指すとしている。

 建設規模は、一定のめどとされる総務省の旧地方債同意等基準を踏まえた延べ面積で、本庁舎に勤務する職員数を基準とした場合が2万1448平方m。これに生涯学習課、健康推進課、水道事業所(浄水場を除く)、青少年課など行政機能を統合した際の職員数を基準とした場合は2万3792平方mと試算する。市公共施設等総合管理計画に示された公共施設の集約・複合化や多機能化を検討すると、規模がより大きくなることも想定されるという。

 基本理念や基本方針を具体化するための機能については、基本計画や設計の段階において、具体的に検討をしていく。建設地については、市民の利便性、安全性、経済性、まちづくりの視点などを総合的に考慮しながら判断し、基本計画の策定段階で決定する。基本計画では、耐震性能については免震構造、制震構造、耐震構造の3つの方法についても検討するほか、事業手法なども検討していくとしている。

 新本庁舎の建設は、現庁舎の老朽化や狭あい化、バリアフリーなどの課題から計画した。最も古い行政棟と議事堂棟は既に築後55年が経過。設備の不調など顕在化し、執務室の狭あい化、会議室や書庫などの不足、バリアフリーなどの問題も山積している。

 このため、22年度には市内部に部長級をメンバーとする市新本庁舎建設検討委員会を立ち上げ検討に着手。23年度には庁内職員や地域で活動する市民らに対するアンケート、24年度には来庁者アンケートなどを実施し、基本構想の策定に向けて意見をとりまとめを行っていた。

 来庁者からの意見では、「複数の建物を回らなければならない」というものが最も多く、「担当部署がわからない」「行きたい場所にたどりつけない」などの意見も多かった。このほか、バリフリーへの対応が不十分であることなどの意見も多くあった。議会からは、ことし1月に議事堂の提言書を受けている。

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