足尾銅山整備計画を変更 通過駅が乗車場へ(日光市)
[2025/9/11 栃木版]
日光市は、物価高騰や人件費上昇、働き手不足といった環境の変化に対応し、10年後を見据えた足尾銅山の持続可能な運営改善について、トロッコ通過駅改修や軌道撤去、エレベーターを設置しないことなどを盛り込んだ、整備計画の変更案を公表した。
足尾銅山は、2001年にリニューアルオープンをして24年が経過した。園内施設は劣化が進み、屋外トイレやテナント複合施設を新設する工事を進めている。現状の課題として、トロッコ乗車場と通過駅間を昇降する牽引車の老朽化が進んでいること、雇用待遇の改善に伴う人件費の上昇、トロッコの輸送能力不足で待ち時間が発生し、大規模校から敬遠される原因になり、入坑客数は減少していることが挙げられている。
改善策として、乗車場をトロッコ通過駅からの運行に変更する。これにより牽引車の更新費用削減や年間の人件費削減につながり、入抗客の動線から階段不要となってエレベーター設置の費用削減でき、トロッコ乗車の待ち時間が減少する。修学旅行等で訪れる首都圏の大規模校へのアプローチ強化につながり、満足度向上が期待できる。運営改善により今後10年間の整備費用および維持管理費用は、当初の計画から1億5085万円減の3億7900万円となる。
変更後の整備スケジュールとして、本年度は、11月から26年3月までにサイン工事実施設計を実施し、銅ふれあい館の改修工事は、12月から26年3月まで、レストハウス解体は12月から26年8月まで実施する。変更後に追加となった通過駅改修工事は、実施設計を10月から26年3月まで、改修工事を26年8月から27年3月まで予定し、27年度からは乗車場として運行する。それに伴い軌道撤去も追加になり、軌道撤去舗装工事設計業務が26年7月から12月まで予定し、撤去工事は27年11月から施工を予定している。