熊谷知事「産業用地整備も選択肢」 県議会で代表質問始まる(千葉県)
[2025/9/12 千葉版]
9月定例県議会の代表質問が11日に始まり、小路正和議員(自民党)が県政運営の課題をただした。熊谷俊人知事は、成田空港周辺で産業用地のニーズが急速に高まることを見込み、県が産業用地の整備に取り組むことも選択肢として検討していく考えを示した。代表質問と一般質問は22日まで。
小路議員は、東京圏国家戦略特別区域が本県全域に拡大するなど、民間投資を呼び込む環境整備が進むなか、高まる企業ニーズに対応するためには、産業用地の確保が喫緊の課題と指摘。成田空港周辺の産業拠点形成に向けた、県の取り組みをただした。
国は拡大する航空機の整備需要を国内に取り込むことを目指し、航空機エンジン用大型試運転施設の導入を支援する予算を計上しており、成田空港内を候補地として検討を進めている。
航空機の整備などを行うMRO産業の集積につながり、成田空港の特長や強みを生かせる産業集積の呼び水となることが期待されている。今後、空港周辺の産業用地に対して、急速なニーズの高まりが見込まれている。
熊谷知事は「こうした機会を逃さず、産業用地を確保することが重要」と強調。空港周辺での産業集積に向けて、スピード感を持って進めていくため、県が産業用地の整備に直接取り組むことも選択肢に、事業主体や手法などを検討していく考えを示した。
小路議員は、事業者が撤退した銚子市沖の洋上風力発電事業について、「途中で投げ出すことは到底看過できない」と指摘。なるべく早急に事業者を選定する必要性やメンテナンス拠点となっている名洗港の整備継続を訴えた。
熊谷知事は、将来にわたって、洋上風力発電事業を確実に完遂できるよう、公募制度の見直しなどにより、事業環境を整備する必要があるとし、国に対して、「事業者の不在期間をできるだけ短くするため、銚子市沖の事業者を早期に再公募するよう、要望していきたい」と応えた。
午後には鈴木均議員(立憲民)が登壇し、県有建物長寿命化計画や保健医療大学の機能強化、管路の更新・耐震化対策などについて質問した。
今後の登壇者は次の通り(敬称略)。
【代表質問】
▽9月12日=篠田哲弥(公明党)、石川りょう(千政団)
▽9月16日=丸山慎一(共産党)
【一般質問】
▽9月16日=佐野彰(自民党)、渡辺務(自民党)
▽9月17日=瀧田敏幸(自民党)、田中幸太郎(自民党)、赤間正明(公明党)、関根ジロー(立憲民)
▽9月18日=鷲見隆仁(自民党)、伊藤ちかこ(立憲民)、高橋秀典(自民党)、西尾憲一(平和党)
▽9月19日=小川としゆき(自民党)、宮坂奈緒(自民党)、網中肇(立憲民)、小野崎正喜(自民党)
▽9月22日=天野行雄(国民)、森岳(自民党)、関政幸(自民党)