渋滞で主要2カ所を解除 事故対策で標示やポール(道路行政マネジメント会議)

[2025/9/12 栃木版]

 県と国土交通省宇都宮国道事務所は、第30回道路行政マネジメントを実践する栃木県会議(委員長・長田哲平宇都宮大学教授)を同事務所で開催した。今回の会議では、渋滞対策や事故対策についての検討状況などを協議。主要渋滞箇所については2カ所で解除するほか、8カ所で解除を検討するという。事故危険区間については交差点や逆走対策で、路面標示、カラー舗装、停止線の前出し、標識や看板による注意喚起、ラバーポールやバンプ等による立体対策などを進めていく。

 会議が2013年1月に公表した主要渋滞箇所321カ所で解除箇所57カ所を除く264カ所のうち、59カ所が事業完了、87カ所が事業中、未対策箇所が118カ所となっている。主要渋滞箇所について、各所の国道等の主要道路でバイパス整備、現道拡幅、4車線化、IC整備などの事業を進めている。

 未対策箇所のうち対策検討中の99カ所については、今後おおむね2年間で交通データや現地観測、意見聴取等を踏まえて渋滞原因を把握し、その後3~5年間でソフト対策や局所的対策等を中心に検討を進めていく。

 主要渋滞箇所について、全流入方向でモニタリング3指標をクリアしている2カ所は、主要渋滞箇所を解除する。対象の2カ所は▽(仮称)足利市中央消防署東分署東交差点(佐野太田線)▽(仮称)西参道バス停交差点(国道120号▽東小屋交差点(国道4号)-となっている。

 一方で、モニタリング3指標をクリアしている上戸祭交差点(国道119号)と、主道路のみモニタリング3指標をクリアしている東小屋交差点(国道4号)は、速度低下が確認されたことから、解除を見送ることとした。

 全流入方向でモニタリング3指標をクリアしている5カ所と、主道路のみモニタリング3指標をクリアしている3カ所は、10月~11月にも現地踏査等を行い、主要渋滞箇所を解除する方向で検討している。対象の9カ所は▽下籠谷交差点(国道121号、国道408号)▽井頭公園入口交差点(国道408号)▽(仮称)屋敷北バス停交差点(宇都宮向田線)▽鹿島橋入口交差点(桐生岩舟線)▽(仮称)今福3丁目バス停西側交差点(桐生岩舟線)▽瑞穂野南交差点(国道4号バイパス)▽箱森町交差点(栃木環状線)▽野崎十字路交差点(国道461号)-となっている。

 LRT関連の取り組みでは、芳賀・宇都宮地域交通対策協議会で、地域の課題を踏まえて本年度の実証実験で移動支援モビリティの実証実験、カーシェアリング実証実験、移動支援バスを行い、賑わいの創出を図っていく。

 事故対策では、10年度・15年度・23年度に事故危険区間箇所653カ所を抽出した。125カ所で対策が完了しており、現在の事故危険区間は331カ所、うち事故危険代表区間は48カ所となっている。376カ所のうち、未対策が323カ所(うち代表区間17カ所)、経過観察が9カ所(同1カ所)、事業中が69カ所(同7カ所)、対策済みが68カ所(同8カ所)、対策完了が125カ所(同28カ所)、追加対策が59カ所(同16カ所)としている。

 事故対策では、路面表示、停止線の前出し、右折指導線などの対策報告が行われたほか、宇都宮市の国道4号簗瀬3丁目交差点についても報告された。国道4号下り方面からの右折事故が発生しやすい同交差点の対策については、自転車横断帯に誘導する対策としてポールコーンガイドやラバーポールの設置、自動車に自転車走行の注意喚起対策として自転車注意の路面標示やカラー舗装、停止線・横断歩道の前出し・ゼブラの設置、減速ドットラインの追加を対策案として挙げた。

 高速道路の逆走対策についての事例を報告した。4月に事故が発生した黒磯PAについて、置き矢印、電光掲示板を追加対策で実施し、本線合流部にはラバーポールやラバーポールウイングサイン、矢印板や矢印の路面標示を行っている。今後も高速道路では重点対策箇所を設定し、現地条件を踏まえた対策を進めていく。

 県内一般道でも対策を考えていくとしており、現地の走行位置の状況に応じて個別に対策を立案する。事例としては、一方通行や矢印の規制標識、案内標識、注意喚起看板、路面標示、逆走認知対策電光掲示板、ウェッジバンプや路面埋込型ブレードの立体対策、錯視効果を応用した路面標示を挙げている。

 新4号国道では、宇都宮市の久部交差点では、矢羽根の設置、路面標示、標識への追加を検討している。

 中央分離帯の乗り越え対策については、事故の多い信号交差点が少ない新4号国道の小田林(西)交差点~上三川IC間を優先的に整備するとしており、防護柵の設置などを行っていく。

 生活道路事故対策では、通学路合同点検の本対策について、26年度までに対策が完了するように取り組みを推進する。

 ゾーン30+については、区域規制と物理的デバイスの組み合わせで交通安全向上を図ろうとする区域をゾーン30+として設定し、道路管理者と警察連携して整備を推進する。県内では8地区で整備計画が策定され、7カ所で整備が完了した。残る鹿沼市西茂呂4丁目地区も、26年3月に整備の完了を予定している。

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