廃棄物埋立で護岸整備 南浜桟橋は補修費増額(県土木部 補正予算案)
[2025/9/23 宮城版]
県土木部は22日、県議会9月定例会予算特別委員会建設企業分科会で、一般会計9月補正予算案に計上した土木部関係の事業費を説明した。主な事業費として、仙台塩釜港石巻港区の廃棄物埋立護岸整備工事に約1億9000万円を計上するとともに、限度額3億円の債務負担を設定。南浜大型桟橋(石巻市)の長寿命化対策は、工事費の増額分として1億6600万円を予算化した。
廃棄物埋立護岸は、航路浚渫で発生した土砂を埋め立てる場所を囲うため、延長600m程度を整備する計画。全体事業費は5億1000万円で、25年度までの支出額が2億1000万円となっている。
これまでは地盤改良工事を進めてきた。本年度は延長150~160m程度、来年度に残る440~450m程度の護岸本体工事を発注する予定。債務負担は来年度分の工事費となる。
南浜大型桟橋は、全長が165mで、架設されてから54年が経過し、コンクリートの剥離や鉄筋のさびなどが発生している。このため、モルタルの充填や、さび止め防止対策などを実施する考え。
工事費は約4億円で、すでに2億4000万円を確保しており、9月補正では増額分として約1億6600万円を計上した。工事は年度内に発注する。
土木部関係の9月補正予算はこのほか、道路橋梁整備費が6億9190万円、河川改良費が3億4235万円、海岸保全費が1億8487万円、河川等災害復旧費が2億7776万円などとなっている。
道路橋梁整備費は、主要地方道仙台三本木線落合工区(大和町)の4車線化などに1億1700万円、県道鳴瀬南郷線(東松島市)の拡幅に4275万円、主要地方道女川牡鹿線大谷川浜小積浜工区(石巻市)の道路整備などに4億4682万円を充てた。
大谷川浜小積浜工区については、債務負担の限度額を42億4600万円から47億4600万円に変更する。このうち、25年度以降の支出予定額は25億4600万円。
この変更は、トンネル工事を進める中で支保工の地山が脆弱であることが判明したため、支保工の変更に伴う工事費増額分となる。
河川・海岸関係は、志賀沢川(名取市)の護岸工事費に4380万円、菖蒲田浜地区(七ケ浜町)の人工リーフかさ上げ工事費に1億7538万円、国直轄事業(鳴瀬川や阿武隈川の改修)の負担金に2億9639万円を盛り込んだ。
河川等災害復旧関係は、調査設計委託費に2億7500万円を計上した。これは3月の融雪と、4~5月の大雨で被災した道路や河川の災害復旧関係費。すでに調査設計は実施済みで、災害査定も受けているが、精算するために予算計上した。
被害状況は、融雪が道路1件、大雨が道路3件と河川16件。道路は主に法面の崩れ、河川は護岸の侵食が起きた。復旧工事費は8億円程度で、当初予算で確保した分を充てる。工事発注に当たっては順次、入札手続きを進めている段階。
加瀬沼公園の駐車場増設
9月補正予算案には都市公園の整備費に7198万円を計上している。このうち、1600万円は加瀬沼公園(利府町)の駐車場増設に向けた概略設計費に充てる。
同公園では来園者が増加しているため、駐車場の増設を計画。周辺は文化財エリアが多いため、どの場所にどの程度整備するかを概略設計で調査して判断する。詳細設計や工事は、今後に別途予算計上して発注する。
これ以外では、多賀城緩衝緑地に2500万円、総合運動公園に3000万円を措置している。多賀城緩衝緑地は野球場のダグアウトを補修する。総合運動公園は遊具の補修設計や木橋の塗装工事などを実施する。