来月から基礎調査 奥日光地域づくり検討会 建設技術研で実施(県交通政策課)

[2025/9/25 栃木版]

 県交通政策課は24日、県庁で第3回「奥日光地域における持続可能な地域づくり検討会」(座長・橋本達雄県交通政策課長)を開催した。今回は各構成員のほかにオブザーバーを加えて、奥日光地域への新モビリティ導入検討に向けた基礎調査の方針や内容、および今後のスケジュールについて協議した。基礎調査は公募型プロポーザルで建設技術研究所(本社・東京都中央区)に委託しており、10月から11月ごろにかけて各種実態調査を実施して年度内にも調査結果をまとめる。

 この検討会は、奥日光地域の持続可能な地域づくりに向けて現状把握と課題抽出を行い、関係者が連携して環境に配慮した今後の持続可能な奥日光地域の在り方を検討するもの。県から県土整備部の交通政策課や日光土木事務所、総合政策部の地域振興課など関係各課と、日光市の総合政策課や都市計画課など関係各課、および地域の公共交通や観光にグループ全体で広く携わる東武鉄道が参画する。

 議事に先立ち、座長を務める県交通政策課の橋本課長は「本日の第3回検討会では、地域内の各分野における専門的知見を有した日光国立公園管理事務所、日光森林管理署、関東運輸局栃木運輸支局をオブザーバーとして迎え、今後の検討の基礎となる調査の内容について議論する予定」と説明し、「今回の議論を含め、今後の持続可能な奥日光地域のため様々な関係者が連携して、環境や観光、交通、地域振興などの様々な視点から議論を深めていただく必要がある」と話して活発な議論に期待した。

 今回の協議会では、「調査方針について」と「調査内容について」、および「今後のスケジュールについて」の3項目を協議した。

 このうち調査方針は、既に第2回の検討会で共有しており、今回から参加したオブザーバーも含めてその内容を改めて共有した。基礎調査では持続可能な地域づくりに向けて、環境に配慮した新たな公共交通システムの構築など、人や物の流れの円滑化につながる取り組みへのを調査する。調査方針は「地域全体(奥日光地区から世界遺産地区)での把握」「繁忙期だけでなく年間を通した把握」「様々な視点(自治体、地域住民、関係事業者など)による把握」の3点とする。

 具体的な調査内容については、「交通全体」の▽人流▽公共交通▽自動車-と、「人の流れ」の▽人の移動実態(データ)▽人の移動実態(アンケート・ヒアリング)-および「物の流れ」の▽貨物車の移動実態(データ)▽物の移動実態(アンケート)-とする。

 調査にあたっては、RESAS(地域経済分析システム)や交通量調査結果、ETC2.0プローブデータなど過年度データを利用するほか、新たに携帯電話位置情報データ(人流GPSデータ)やビーコン(Beacon)データの取得、来訪者や地域住民、事業者などへのアンケート調査も実施する。この調査により、地域課題の要因となっている人や物の流れの実態として、各地区内の滞留量、各地区間の移動量、移動と輸送の手段、交通の状況などを明らかにする。

 今後のスケジュールは、10月から11月ごろに交通実態調査など各種実態調査を実施し、別に実施する渋滞対策事業で渋滞時間や渋滞長も把握する。26年1月ごろには調査結果をもとに、奥日光地域の課題および要因の分析を実施し、3月頃に予定する第4回検討会で調査結果や来年度の方針を共有する。

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