3件分離で公告 ITF・F事業 研究スロット棟など整備(筑波大学)
[2025/9/26 茨城版]
筑波大学は22日、新たな産学連携の拠点となる施設の整備へ向け「筑波大学IMAGINE THE FUTURE・Forum研究スロット棟(仮称)等新営工事」に係る3件の一般競争入札を公告した。申請書と技術提案書などの提出は10月22日まで、12月8日に開札する。工期は28年3月31日までを予定している。
ITF・F事業は、大学と企業が共同で開発研究と実証実験を一気に行える施設を整備するもの。企業のR&D(研究・開発)研究所を誘致し、企業が大学の人材や設備・備品を活用して開発研究を推進するB2A2B(Business to Academia to Business)研究所を設立するため、大学債発行により調達した資金(200億円)などを活用して施設を建設する。
こうした施設の設置、運営は国立大学法人では初めての取り組みで、24年には三井不動産と産学連携の推進に関する協定書を締結。また、つくば市が推進しているスーパーシティ構想とも連携を図り、地域の新たな発展に寄与することを目指している。企業や社会の課題を大学のリソースで解決し、より良い社会の実現に寄与するために、現実社会における実践に向けた開発研究を行うとともに産・学・官の壁を越えたニーズドリブン型産学共同研究を推進する。
建設場所は、吾妻2丁目の職員宿舎跡地3万3451平方m。ここに研究スロット棟(研究室の集合体)、オープンスペース、大小複数の会議室やイベントホールなどを備えた研究施設(鉄筋コンクリート造一部鉄骨造地上5階建て、建築面積6389平方m、延べ面積2万5692平方m)を整備する。
工事は当初、24年1月に設計・施工一括発注方式(DB方式)による一般競争入札を予定していたが不調となっていた。このため、同年6月には公募型プロポーザルで選定した佐藤総合計画(東京都墨田区)に設計を委託し、着工の準備を進めていた。
今回の入札では、建築一式工事、電気設備工事、機械設備工事を分離して発注する。入札参加形態は3件とも単体または2-3社による特定JVとし、単体または代表者の資格は建築一式工事で1200点以上、電気工事・管(機械設備)工事でいずれも1100点以上の者などとしている。工事は27年度中に行い、28年度早期の運用開始を目指す。
この財源を活用したプロジェクトでは、ITF・F研究スロット棟のほかに、未来社会デザイン棟(仮称)とSPORT COMPLEX FOR TOMORROW(仮称)──の計3事業を計画する。このうち、未来社会デザイン棟とSPORT施設は24年度に着工し、いずれも坪井工業などの施工で工事が進められている。