西部防災センターをリニューアル 検討会議で年度内に基本計画策定へ(千葉県)
[2025/9/26 千葉版]
千葉県は、県西部防災センター(松戸市)のリニューアルに乗り出す。施設全体の老朽化が進んでいるため、本年4月に策定した基本方針を踏まえ、有識者などで構成する検討会議で、展示内容や改修スケジュールを具体化する基本計画を年度内にとりまとめる考えだ。
県西部防災センターは、県民の防災に関する知識や意識を向上させるほか、防災用資機材や食糧の備蓄・搬送基地としての機能を併せ持つ施設。県内唯一の体験型防災学習施設となっている。
施設は本館や車庫棟、備蓄倉庫で構成。本館の構造・規模はSRC造2階建て延べ3190平方m。1998年6月に開館し、築27年が経過している。全体的に老朽化しており、故障・休止している体験設備があることから、リニューアルに向けた検討を進めるため、本年4月に西部防災センターのあり方に関する基本方針を策定した。
最新のデジタル技術を活用し、過去の災害などを学ぶとともに、災害の脅威や被災後の生活をより鮮明にイメージできる体験展示を想定。ワークショップを通じて、来館者同士が学びを高め合うなど、自助・共助のさらなる充実につながる展示施設を目指している。
本年度は、展示内容や改修スケジュールを具体化する基本計画の策定に向け、防災や教育、福祉など各分野の有識者などで構成する検討会議を5月に設置。可能な限り、早期にリニューアルが完了できるよう、スケジュールを検討しており、26年度以降に設計などに着手する方針だ。
基本計画策定支援業務はトータルメディア開発研究所(東京都千代田区)が担当。同業務では、リニューアルのコンセプトを踏まえ、展示の構成やテーマ、手法などを検討し、事業費や整備スケジュールをとりまとめるほか、県民アンケート調査や検討会議などを支援する。委託期間は26年3月まで。
本館は1階にオリエンテーション (エントランス含む)、防災資料室、休憩コーナー、視聴覚室、総合テーマ室を設置。2階には地震体験室や風水害体験室、応急救護体験、119番通報体験、火災の消火体験、煙避難体験、展示コーナーなどがある。このうち、統合テーマ室と地震体験室は、機器などの不具合により休止しているという。