跡地活用を来月募集 寺尾中は複合型、皆川は地域重視(栃木市)
[2025/9/27 栃木版]
栃木市は、皆川中学校と寺尾中学校の跡地利活用でサウンディング調査を実施し、調査結果をまとめた。それによると、皆川中は地域住民を支援できる施設、寺尾中は各種機能の複合型施設が提案された。市は10月に利用事業者の募集要項を公表し、12月に募集を締め切る。2026年1月に審査して2月に優先交渉権者を決定し、5月に仮基本協定書を締結して27年4月から事業を開始させたいとしている。
皆川中学校と寺尾中学校は、26年4月に吹上中学校に統合されて用途廃止となることから、市は閉校後の利活用を検討してきた。これら学校跡地の利活用について、民間事業者と個別対話を行い、市場性の有無や利活用アイデアを調査した。
皆川中学校には2事業者から提案があり、提案内容は▽地域交流、地域住民の生活支援(生活密着機能の提供)を中心とした複合型施設▽地元企業の社員寮、地域住民も利用可能なフィットネスジムやグラウンド等の提供-となった。
一方の寺尾中学校には、3事業者から▽ジビエ加工工場および介護施設を中心とした複合型施設▽カフェ、直売所、農産加工所、工芸品製造所、手仕事体験などのワークショップを中心とした複合型施設▽フリースクールや学童保育など、子どもの育成支援事業に特化した子ども向け複合型施設-が提案された。
いずれかの中学校への提案では、2事業者から▽外国人を対象とした日本語学校▽スケートボードなどスポーツ施設を中心とした複合型施設-が提案されている。
このほか、寺尾地区自治会連合会からも寺尾中学校の跡地利活用の要望書が提出され、要望内容は▽複合機能施設としての活用▽校舎は、地域のシンボルとして保存による活用▽校庭や体育館は、地域の体育祭・お祭り、各種スポーツで地域住民の利用を可能とする▽災害時の避難所として継続活用▽住民雇用や地域経済活性化につながるような企業の参入検討▽テナント導入の場合、寺尾地区の小売店や飲食店の優先的受入-などとなっている。
募集にあたって市は、敷地測量など未整理の部分があり、すぐに譲渡できないことから当面の間は貸出の利用とする。市場調査の結果などを基に、皆川中学校は一体利用、寺尾中学校は複合型の利用とするなど、学校ごとに募集内容を区分することを検討する。地域住民が活用できる方法で、より実現性を確保できると考えられる場合は、今回予定の公募以外の手法も検討していく。
皆川中学校は校舎(1986年建設・RC造3階建て・延べ床3648平方m)や体育館(1996年建設・S造平屋建て・延べ床1161平方m)などで構成し、寺尾中学校は校舎(1989年建設・RC造3階建て・延べ床4256平方m)や体育館(1968年建設・S造平屋建て・延べ床777平方m)、宿泊棟(1989年建設・RC造3階建て・延べ床593平方m)などで構成している。
問い合わせは、市行政改革推進課行革・施設係0282-21-2344へ。