大規模修繕の予算増額 日光道 通行料金と徴収期間も変更(県交通政策課)

[2025/10/2 栃木版]

 県交通政策課は、開会中の県議会第408回通常会議に、「栃木県道路公社の定款の変更について」と「栃木県道路公社が行う有料道路事業の変更に関する同意について」の2件の議案を提出している。定款の変更は、宇都宮鹿沼道路の料金徴収期間満了に伴い管理を県が引き継ぐための変更で、有料道路事業の変更は日光宇都宮道路の大規模修繕に係る工事予算の変更と、それに伴う通行料金及び料金徴収期間の変更となる。大規模修繕に係る工事予算は、老朽化対策が現計画の約22億3000万円から約43億9000万円に、耐震補強が同じく約8億4000万円から約14億8000万円に増額される。

 道路公社の定款の変更は、宇都宮鹿沼道路(さつきロード)の料金徴収期間満了に伴うもの。宇都宮鹿沼道路は国道121号の鹿沼市深津から県道宇都宮環状線宇都宮西川田町間2.5kmのうちの、1.6kmの有料区間で、建設費約53億9000万円を投じて1996年3月に供用を開始した。

 2026年3月17日で料金徴収期間が終了し、その後の管理は料金を無料化した上で県が引き継ぐ。料金徴収期間満了に伴い、県道路公社の定款を変更する必要があるため、地方道路公社法に基づく議会の議決を求める。議決後、国土交通大臣に認可申請を行い認可されたあと、26年3月18日から無料化となる見込みとなっている。

 有料道路事業の変更に関する同意についての議案は、有料道路の日光宇都宮道路(日光道)を管理している県道路公社が事業の変更を行うにあたり、道路整備特別措置法の規定に基づき道路管理者である県の同意を得る必要があることから、県として同意を行うことについて議会の議決を求めるものとなる。

 変更の内容は、構造物の耐震補強工事や老朽化対策などの大規模修繕かかる工事予算の増額と、これに伴い償額が可能となる通行料金の変更および料金徴収期間の延伸といった事業の変更を行うものとなる。

 大規模修繕に係る工事予算の変更は、2016年から耐震補強工事や老朽化対策などの大規模修繕工事を推進しているが、労務費や資機材費の高騰、設計基準の改定、詳細設計実施による構造変更、老朽化の進行に伴う補修工種および数量の増などにより、工事予算を増額する。

 変更額は、老朽化対策が橋梁18橋とトンネル2カ所で現計画の約22億3000万円から約43億9000万円に、耐震補強が橋梁13橋で約8億4000万円から約14億8000万円にそれぞれ増額する。

 これら大規模修繕に係る工事予算の増額のほか、老朽化した設備の更新費用や一般道より高いサービス水準を確保するための維持管理費用も増大しているため、現在の業務内容の見直しなどによる維持管理費の縮減を図った上で、償還が可能となる通行料金体系へと変更し、あわせて料金徴収期間を延伸する。

 通行料金は普通車の場合、1kmあたりの単価が15.3円から21.8円に値上げされ、宇都宮-大沢間が210円から260円に、宇都宮-日光間が420円から550円に、宇都宮-清滝間が470円から670円に変更となる。料金徴収期間は現計画の2034年5月19日までから、変更後は2061年2月13日までへと、約26年9カ月延伸する。

 議案が議決されれば、県は事業の変更に同意して、県道路公社は国土交通省宛に道路整備特別措置法の規定に基づく事業変更許可申請を行い、国土交通省の許可後、26年4月1日から新たな料金体系での運用を開始する予定となっている。

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