RIA・AIS・横松に 栃木地区新校 基本・実施設計のプロポ(県建築営繕課)
[2025/10/9 栃木版]
県建築営繕課は8日、「栃農高・栃工高・栃商高新校整備事業基本・実施設計業務委託」に係る特定調達契約(WTO)の公募型プロポーザルで選定したRIA・AIS・横松特定建築設計JVと見積合わせを行い、4億1200万円で随意契約を締結する。この業務は、県の設計業務委託で初めてWTOを適用し、建築士事務所3者で編成する設計共同企業体の結成を求めていた。履行期限は720日間で、参考業務規模は税込み4億5900万円程度を想定していた。
設計で初のWTOを採用
栃木農業高校と栃木工業高校、栃木商業高校は「第三期県立高等学校再編計画」に基づき28年度に統合する予定で、統合新校は主に栃木市片柳町の栃木商業高校の校地を使用し、農業、工業、商業の複数の職業系専門学科を併置した未来共創型専門高校とする。この統合新校の設置にあたり、栃木商業高校の校地に校舎等を効率よく配置するため、実習棟の整備と併せて校舎や体育館を建て替える。
新校舎等の基本・実施設計の指針となる新校舎等整備基本計画によると、敷地面積は約3万6000平方mで、このうち建物敷地および駐車場等面積に約2万2500平方m、運動場面積に約1万3500平方mを配分する。
建築物は、本館棟がRC造4階建て延べ8629平方m、実習棟がRC造2階建て延べ4786平方m、講堂兼体育館がRC造一部S造平屋2393平方m、武道場がRC造一部S造平屋400平方m、部室棟が木造2階建て延べ413平方mなど、計1万7656平方mとする。
本館棟には校長室、職員室、事務室、会議室などの管理諸室と理科室、音楽室、美術室、図書室などの特別教室、HR教室、講義室、大教室、文化部室などの普通教室のほか、情報処理室、総合実践室、簿記室、マーケティング室などの商業科実習室を配置する。
実習棟は、農業科の食品加工実習室や食品化学実験室、応用微生物実験室、コンピュータ教室など、工業科のNC加工実習室や機械加工実習室、電力実習室、電気工事実習室、プログラミング教室、コンピュータ教室、製図室などを配置する。体育館と武道場には、アリーナや器具庫、更衣室などをそれぞれ設ける。
配置計画は、運動場への日照や既存運動場の活用を考慮し、本館棟、実習棟、体育館などの主な建物は敷地北側を中心に、運動場は敷地南側に配置する。また各施設の連続性、一体性のほか、近隣の住宅への影響等にも配慮した配置とする。
これら施設の基本・実施設計業務では、県の設計業務委託で初めてWTOを適用し、公募型プロポーザルを実施。建築に係る25・26年度の競争入札参加資格を持ち、15人以上の建築士および5人以上の一級建築士を有する建築士事務所3者で編成する設計共同企業体の参加を求めていた。
参加表明書を提出した者の中から、「事務所の体制及び業務実績」と「技術職員の経験及び業務実績」の評価基準と「業務実施方針および特定テーマ」に基づき、技術提案書を特定した。特定テーマは▽栃木地域における未来共創型専門高校としてふさわしい施設整備のあり方▽自然災害や周辺環境に対する配慮及びその対策▽建設費高騰への対策と維持管理を考慮した施設整備に対する考え方-としていた。
整備スケジュールは、栃木商業高校の校舎など既存施設の解体で26年度に設計、28年度と29年度に工事を実施する。新校舎整備は、建築工事が25年度から27年度までの3カ年で設計、29年度から31年度までの3カ年で工事を実施するほか、外構工事も26年度に設計、31年度と32年度の2カ年で工事を実施する。概算事業費は、約140億円(税込み)を見込む。なお、新校舎整備完了までは仮校舎(栃木農業高校舎と栃木工業高校舎)を使用して対応する。