成田空港周辺ICに104億円 公共事業評価審で新規事業着手を了承(千葉県)
[2025/10/15 千葉版]
千葉県の県土整備公共事業評価審議会(会長・轟朝幸日本大学理工学部教授)が14日、県庁で開かれ、成田空港周辺IC(仮称)について、計画段階の事前評価を実施した。約104億円を投じ、成田空港と圏央道を直結するインターチェンジを整備する計画。新たに事業着手することが了承された。
事業名は主要地方道成田松尾線・成田空港周辺IC。新規事業となるため、経済的・社会的効果や環境に与える影響などを考慮し、事業着手の必要性や妥当性を総合的に評価した。
第3滑走路の新設や新貨物地区の整備など「第2の開港プロジェクト」が進む成田空港へのアクセス強化や空港周辺地域の活性化を図るため、成田空港と圏央道を直結し、最短でアクセスする新たなインターチェンジを整備していく。設置場所は圏央成田IC(成田市)と多古IC(多古町)の間を想定している。
事業区間は芝山町菱田地区から多古町間倉地区までの延長2・4km。新滑走路の地下に新設する県道成田松尾線・滑走路横断道路(仮称)と圏央道を結ぶ計画だ。
標準断面図をみると、幅員は中央帯2・5m、車道3・5m×2、路肩2・5m×2の14・5m。ICの形状は料金所を集約したトランペット型を想定している。設計速度は時速40kmで、ランプはA規格とする。
事業期間は2026年度から32年度までとする。全体事業費は約104億円で、その内訳は県72億円、NEXCO東日本など32億円となっている。
費用便益比(B/C)は2・4。総合的な評価として、圏央道へのアクセス向上や国際競争力の強化、まちづくり・救急医療の支援など、地域活性化の効果が期待できるため、事業着手が妥当としている。
委員からは「非常に重要なプロジェクトとなるため、素早く迅速に進めてほしい」との意見が出された。県は今後、圏央道への連結許可手続きを進めるとともに、国庫補助事業の採択に向け、調整を図っていく。
成田空港周辺ICは、県総合計画で印旛ゾーンの交流・連携機能を強化する道路に位置付けられている。成田空港「エアポートシティ構想」では、ICが位置する複合ゾーンについて、圏央道と国際物流拠点などが連動し、国際的な産業集積・高付加価値農産物輸出が共存する複合生産拠点の形成を目指している。